プロジェクトの概要

 

研究プロジェクト

宗教が文化と社会に及ぼす生命力についての研究
-禅をケーススタディとして-

実施期間 2010~2012年度(第1年次)
研究代表者 天野 文雄 国際高等研究所企画委員/大阪大学名誉教授
研究目的 ① 背景:

研究代表者は能楽(能と狂言)の歴史的研究や演劇的研究を専門として、長年、能楽の研究に携わってきたが、その過程で、能の大成者たる世阿弥の制作になる能やその能楽論に禅が深いレベルで影響を及ぼしていることを知り、さらに、そのような現象が世阿弥や能だけではなく、絵画、書、彫刻等の美術、和歌、連歌、漢詩等の文学、茶等の芸能、作庭、建物等の建築といった芸術諸分野、らには思想、政治、欧米の現代をも含めた社会生活にも認められることに想到して、禅の持つ「芸術や社会を触発する力(本研究では「生命力」と呼ぶ)について、その諸相を究明する必要性を痛感するにいたった。

② 必要性:

細分化が加速度的に進行している現代の人文研究にあって、最も求められているものといえば、たとえば「何のための研究か」という巨視的な視点からの問いかけがあろう。本研究が解明しようとしているような禅の持つ力については、上記の各分野においても多かれ少なかれ考究されてはいるが、それには巨視的な視野がなく、ために上記各分野の禅にかかわる研究においては、ある常識的な理解に安住する結果になっているのではないかと思われ。そのような状況が本研究によって変えられることによって、上記各分野の研究が思想というレベルで深められることが期待される。

③ 方針:

本研究では、上記の人文・社会学諸分野における「禅の生命力」の実態を整理・総括して、それを各分野における共通認識とすることを目標とする。そのためには、上記各分野の第一線で活躍している研究者による、当該分野における最先端の報告が不可欠となる。

キーワード 禅、生命力、世阿弥
参加研究者リスト(14名)
天野 文雄 国際高等研究所企画委員/大阪大学名誉教授
荒木  浩 国際日本文化研究センター研究部教授
大田 壮一郎 龍谷大学文学部非常勤講師
太田  亨 愛媛大学教育学部准教授
川本 慎自 東京大学史料編纂所特殊資料部門助教
恋田 知子 国文学研究資料館機関研究員
重田 みち 早稲田大学演劇博物館客員研究員
鈴木  元 熊本県立大学文学部教授
中本  大 立命館大学文学部教授
西平  直 京都大学大学院教育学研究科教授
西山 美香 花園大学文学部非常勤講師
野村 俊一 東北大学大学院工学研究科助教
原田 正俊 関西大学文学部教授
福島 恒徳 花園大学文学部教授
2010年度
研究活動予定
① 研究会開催予定:
第1回: 2010年9月3日~9月4日 (於 高等研)
第2回: 2010年12月17日~12月18日 (於 高等研)
② 話題提供予定者:
今泉淑夫・東京大学・名誉教授(禅宗史)
岡雅彦・国文学研究資料館・名誉教授(日本近世文学)
桜井英治・東京大学大学院文学研究科・教授(日本中世史)
竹貫元勝・花園大学文学部・教授(日本禅宗史)
熊倉功夫・林原美術館・館長(茶道研究)
平雅行・大阪大学大学院文学研究科・教授(日本中世史)
蔭木英雄・関西大学・名誉教授(日本中世文学)
島尾新・多摩美術大学美術学部・教授(日本美術史)
末木文美士・国際日本文化研究センター・教授(仏教学)
2010年度については、上記リストから3名ないし4名を予定。
研究成果報告書
の出版
2014年2月出版予定