プロジェクトの概要
| 研究プロジェクト | ケアを基盤とする社会保障システムの新たな構築 |
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| 実施期間 | 2011~2013年度(第1年次) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 研究代表者 | 西村 健一郎 同志社大学大学院司法研究科教授 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 研究目的要旨 |
ケアの概念を、介護・看護などの狭い意味に限定せず、配慮・世話・注意などの広い意味で理解し、このような相互作用的関係概念が問題化している社会学的・倫理学的等の背景をふまえ、ケア概念を基軸にすえた社会保障システムの現代的な在り方を学際的に検討する。主な検討対象を家族構造、医療介護空間、雇用労働環境の3領域に絞り、それぞれの領域の最近の構造変容に伴って具体的にどのようなケア問題についてどのような社会保障的対応が要請されているかを整理した上で、それぞれの分野及びそれらの相互関係において公私のケア・ネットワークをどのように再編成し、そのようなケア・ネットワークの整備を公的に支援する社会保障システムをどのように再構築すべきかについて、政策論的・制度論的観点から総合的に解明する。 |
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| 研究目的 | ① 背景:
ケアの問題は、従来、基本的には親密圏の問題として家族や共同体内部で対応されてきたが、少子高齢化、家族構成の変化、女性の社会進出、医療介護空間の変貌、雇用の流動化などの社会構造の変容に伴って、次第に社会化し、公共的な政策課題としての対応の必要性と重要性が急速に高まっている。医療看護学、介護学,社会福祉学等の分野だけでなく、倫理学・社会学・心理学等の分野でもケアの概念が注目され、ケアの理論と実践に関して多彩な研究が展開されているが、それらの研究成果は、ケア問題への対応において重要な位置を占めている社会保障システムの在り方をめぐる政策論的・制度論的考察にはまだほとんど活かされていない。他方、社会保障システムの在り方をめぐる政策論的・制度論的議論では、所得の再分配による個人の福利の増進機能に焦点を合わせ、その規模や財源などに関する公私の役割分担や世代間の負担の公平の確保などの問題に関心が集中し、ケア・ネットワークの再編やそれに対する社会保障的支援が社会的連帯や個人の生き方に対してもつ社会的・倫理的意義に対する考察は背後に追いやられてしまっている観がある。このような従来のケア論の限界及び社会保障政策・制度論議の偏りを学際的共同研究によって是正することが、次世代にも承継可能な公私ケア・ネットワークの再編成と社会保障システムの再構築にとって焦眉の課題となっている。 ② 必要性:①で述べたように、ケア論の多彩な展開にもかかわらず、ケアの概念のあいまいさや各論者の問題関心のバラツキなどのために、ケアという相互作用的関係概念が社会保障の在り方の政策論的・制度論的考察に対してもつインプリケーションが必ずしも明確でない。このような状況を、具体的な政策・制度に則して、関連分野の研究者の学際的共同研究によって打開する必要がある。また、社会保障システムの在り方をめぐる政策論的・制度論的議論が、所得の再分配という経済的・財政的側面に焦点をあわせている結果として、公私のケア・ネットワークの再編成のもつ政治社会学的・倫理的意義にまで遡った議論が背後に退き、そのため、公私の役割分担や世代間の負担の問題をめぐる議論を膠着状態に陥らせている観がある。本プロジェクトのような観点からの学際的研究によって、個人の福利ではなく、相互関係的なケアをキーコンセプトとする社会保障システムを構想し、次世代にも承継可能な社会保障の在り方を提示することは、論議の展開に新たな方向を示す意義がある。 ③ 方針:(1)以上で述べたようなケア論の議論状況に鑑み、ケア論自体については、適宜各分野の代表的な研究者をゲスト・スピーカ-として招いて意見交換をするが、主としてコア・メンバーが分担して研究動向を調査する方式をとることにして、研究会メンバーは政策論・制度論を専門とする法学者・社会学者を中心に編成する。 (2)考察対象を拡散させないために、家族関係、医療介護空間、雇用労働環境におけるケア問題をめぐる理論と実践の動向とその問題状況に絞り、それぞれの分野の政策論的・制度論的論議に造詣の深い研究者をコア・メンバーに加える。 (3)2013年度にこのプロジェクトを主体に開催を予定している高等研カンファレンスの具体的なテーマと内外の招聘者についても意見交換し、2011年度中に原案を確定する。 |
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| キーワード | ケア、社会保障、家族、介護、雇用 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| 参加研究者リスト17名 |
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| 2011年度 研究活動予定 |
① 研究会開催予定:
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| 研究成果報告書の出版 | 2014年 3月出版予定 *このプロジェクトを基礎に企画・開催する予定の高等研カンファレンスの報告書と一体的に編集して刊行する予定。 |
