• 高等研ライブラリー
  • 高等研報告書
  • アーカイブ
  • 寄付

第30回 けいはんな「ゲーテの会」

開催概要

日本の未来を拓くよすが(拠)を求めて-日本の近代化を導いた人々の思想と行動、その光と影を追う-「西の文化」の彼方に「東の文化」を構想した人物

30

政治・経済

原敬の理想

【講演者】
伊藤 之雄京都大学大学院法学研究科教授
【講演者経歴】
1952 年福井県生まれ。京都大学大学院法学研究科教授。専門は近代・現代日本政治外交史。
著書に、『原敬―外交と政治の理想』上・下巻(講談社、2014 年)、『伊藤博文―近代日本を創った男』(講談社、2009 年〔文庫版、2015 年〕)、司馬遼太郎賞受賞作『昭和天皇伝』(文藝春秋、2011 年〔文庫版、2014 年〕)、『山県有朋―愚直な権力者の生涯』(文春新書、2009年)などがある。
【講演要旨】
原敬は、1918年に初めて本格的な政党内閣を創り、次第に軍や宮中までも内閣の下で統制し、第一次大戦後の状況に適応し国際協調外交路線をしいた人物である。
1856年に南部藩(現・岩手県)の上級武士の家に生まれるが、維新で没落。苦学をして、新聞記者・外交官から政党政治家となった。青年期に中江兆民の私塾でフランスの啓蒙思想、中でも「公利」という概念を身につけ、生涯「公利」を求めた。その実現の具体的手段として、輿論にもとづくイギリス風の政党政治と、東アジアや世界の安定した国際平和秩序の形成を理想とし、それを実現可能な手段で追求した。
原は、人間を身分・男女、人種など生まれながらに変えられないもので評価しがちな当時の状況にとらわれず、努力し自立した理性的人間に価値を置いた。
政治や外交や、政治家のあるべき姿が見えにくい現代、原敬から学ぶものを考えてみたい。
開催日時
2015年12月24日(木)18:00〜20:30
開催場所
公益財団法人国際高等研究所
住所
京都府木津川市木津川台9丁目3番地
参加費
2,000円(交流・懇談会費用を含む)
定員
40名(申し込みが定員を超えた場合は抽選)
締切
2015年12月14日(月)必着