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メッセージ

上田 輝久

公益財団法人国際高等研究所

理事長上田 輝久

株式会社島津製作所 代表取締役 会長

第6代理事長 就任のあいさつ

 2023年6月に森詳介理事長の後を継ぎ、国際高等研究所(高等研)第6代理事長に就任しました。高等研は関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の中核研究所として「人類の未来と幸福のために何を研究すべきかを研究する」ことを基本理念に設立されました。爾来、高等研は学問領域、専門分野に加え、世代所属組織、国籍を越えて研究者が結集し研究を進める「Beyond Boundaries」を特徴とする研究所として活動して参りました。
 今日、多岐にわたる社会課題に対応するために、国際機関、組織等から「知の統合」「学際共創」「総合知」等々の研究方法、概念が提唱されておりますが、これらは高等研の「Beyond Boundaries」を旨とした取組の重要性を改めて評価するものと考えられます。
 高等研では従来の自所の研究者による自主研究に加え、公募研究を再開し次世代の学術の芽の発掘、若手研究者の支援、研究活動の多様性の確保を図る予定としておりますが、これにより「Beyond Boundaries」の取組が拡大、拡張していくことを期待しております。
 高等研は研究事業に加え、けいはんな学研都市の研究所として地域との交流事業にも力点を置き、「ゲーテの会」や「エジソンの会」等の開催を通じた地域住民、立地機関の皆さんとの交流を推進して参りました。従来の活動は専ら成人の方々を対象にしたものでしたが、今後は次世代を担う人材、小中高校生の皆さんの役に立つ活動についても検討を進めて参りたいと考えております。
 松本紘所長とともに、従来の活動に加え新たな取組を精力的に推進して参る所存です。高等研への皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

松本 紘

公益財団法人国際高等研究所

所長松本 紘

理化学研究所名誉理事長
株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)会長

時代、世代、研究領域を超えて
知の拠点を目指します

 国際高等研究所(高等研)は、初代理事長の奥田東先生が提唱された基本理念に基づき、人類社会が直面する諸課題の探索から解決に向けて、創設以来さまざまな研究を進めてまいりました。そして今、人類社会は、地球温暖化による気候変動という人類の未来を脅かす地球規模の課題に取り組まざるを得ず、また、ロシアのウクライナ侵攻などの他国への武力介入という極めて憂慮すべき事態に直面しています。このような時代だからこそ、私は人類の未来に貢献できる科学の力を信じ、真摯に真理を追究する研究者の活動を支えていくべきだと考えます。
 高等研は大学や企業ではなく公益財団法人が運営する研究所です。研究者が立場や地位にとらわれず、個人として自由に活動できる拠点でありたいと思います。Beyond Boundariesという高等研の基本理念のとおり、研究領域、所属機関、世代、国籍などの枠を超えて、充実した議論と交流が行われる場を提供していきます。
 2024年には高等研創設40周年を迎え、2025年には大阪・関西万国博覧会が開催されます。けいはんな学研都市でも、「未来社会への貢献~次世代への解~」をテーマにけいはんな万博2025を大阪・関西万博と連携して開催いたします。けいはんな学研都市の中核機関である高等研はけいはんな万博開催に協力し、高等研からの情報発信の機会とし、更なる成長・発展を目指してまいります。