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自主研究

人を健康と幸せに導く「意識」に関する研究
- 関係性との関連を手がかりに-

研究代表者:高見 茂
国際高等研究所チーフリサーチフェロー、京都光華女子大学学長
京都大学学際融合教育研究推進センター特任教授

けいはんな学研都市は、まちびらきから50年を経過し、この間本地域には研究機関や大学、文化施設が設置され、道路・公共交通機関等のインフラの整備も徐々に進み人口増加も見られた。また、これからの50年を見据えたリニューアルの第一歩として、まちの玄関口である近鉄高の原駅前広場の再整備も計画されている。そしてハード面の充実に加えて、今後は人々の新たなネットワークの構築や幸福感の醸成、すなわち地域住民や勤務者のウェルビーイングの実現と向上というソフト面の充実も重要となろう。
本研究の目的は、「先端幸福創造都市けいはんな」実現の手立ての一つとして、人を健康と幸せに導く「意識」を明らかにし、けいはんな地区住民のウェルビーイングの向上を図ることである。

参加研究者リスト2024.07.01現在

高見 茂 国際高等研究所チーフリサーチフェロー、京都光華女子大学学長
京都大学学際融合教育研究推進センター特任教授
秋山 知宏 総合地球環境学研究所上廣環境日本学センター特任准教授
国際高等研究所特任研究員
川上 浩司 京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康解析学講座教授
木下 翔太郎 慶應義塾大学医学部ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座特任助教
高松 邦彦 東京工業大学企画本部マネジメント教授
高見 佐知 京都大学教育学研究科研究員

■ 研究目的・方法

本研究は、2015年度から2017年度にかけて国際高等研究所で実施した『「けいはんな未来」懇談会』および『「けいはんな未来」専門検討部会』で提案された先端幸福創造都市の実現に向け、また具体的にけいはんな学研都市地域の振興を図る方策を調査検討することを目的として立ち上げられたものである。またそれは、本研究に先行して実施された「けいはんな地域のヘルスリテラシーの向上策の研究」の継続研究としても位置づくものである。
本研究では、人生100年時代を迎え健康で幸せに長生きするために、ウェルビーイングに対する人々のニーズが高まっていることに注目する。そして、健康と幸せの実現のために必要な要素を見出すことを究極の目的とし、先行研究の成果から、健康や幸せを実現している人々に共通する要素として、「関係性」の存在(良好な人間関係、何等かのつながりの感覚=「意識」の在り方)が重要であるとの知見が得られている。また、予防医学等の観点からも、健康には「食事」「運動」の他に、「意識」が重要であるとされている。そこで、本研究では、健康と幸せを実現する「意識」をテーマに研究を推進した。特に、「奇跡的事例」に着目し、「困難な状態から著しく健康を回復した」事例群において、共通してみられる意識の傾向や要素の抽出を試みる事とした。

今後の計画・期待される効果

Radical Remission Projectでは無料公開のデータベースも用意されており、今後内容の確認も行う予定である。また、コクランレビューを用いた文献検索とWeb of ScienceやPubMedなどのデータベースを用いた文献検索も進める予定である。その際、検索のキーワードやフレーズの選択が極めて重要であると考えられるので、慎重に取り組む所存である。mindfulnessやwell-being等も本研究関連キーワードであることから、文献検索の際に用いる予定である。さらに、社会的処方(Social prescribing)と健康に関わる意識の関係についての研究を計画している研究参加者もあり、その研究成果が期待される。加えて過去の研究において、学校で健康の維持増進の必要性に関する教育を実施した場合、教育効果があるとのエビデンスが確認されている。それゆえ学校教育において健康の維持増進「意識」をどう獲得させるのかという点にも注目したい。

活動報告

アニュアルレポート
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