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基幹プログラム

多様な価値観を持つ社会や国家の平和的共存のための方策「多様性世界の平和的共生の方策」研究会

研究代表者:位田 隆一
国際高等研究所副所長、滋賀大学学長、京都大学名誉教授

多様な価値観、倫理観、宗教、考え方を持つ国家や人々が平和的に共生するためにはどうしたらよいか。寛容と協調、互恵の精神を大切にしながら、人間の尊厳に立ち戻り、日本から新しい指標を提示して平和的共生のための価値観を構築する。平和的共生を実現するための要素を指標として提示し、その基盤となる考え方を広く世界に発信していく。

参加研究者リスト2017.08.01現在

位田 隆一 国際高等研究所副所長、滋賀大学学長、京都大学名誉教授
吾郷 真一 立命館大学法学部教授
大芝 亮 青山学院大学国際政治経済学部教授
高阪 章 大阪大学名誉教授(大学院国際公共政策研究科)
内藤 正典 同志社大学大学院グローバルスタディーズ研究科教授
中西 久枝 同志社大学大学院グローバルスタディーズ研究科教授
中西 寛 京都大学公共政策大学院教授
東 大作 上智大学グローバル教育センター准教授
福島 安紀子 青山学院大学地球社会共生学部教授
星野 俊也 国際連合日本政府代表部大使次席常駐代表
前田 直子 京都女子大学法学部准教授
峯 陽一 同志社大学大学院グローバルスタディーズ研究科教授
最上 敏樹 早稲田大学政治経済学部教授
モジュタバ・サドリア Director, Think Tank for Knowledge Excellence
モンテ・カセム 立命館大学国際平和ミュージアム館長

■ 研究目的・方法

現代は多様性の世界である。さまざまな考え方、価値観、倫理観、宗教等を持つ人々や社会、国家が平和的に共生できない原因は何か。その原因を取り除くための方策、そこから平和的共生に到る道をどうすれば描けるかについて検討する。そのために、現在広く使われている経済活動の指標であるGDPに代わって、人間中心の価値観に基づく指標を提言し、これを世界に発信して、多様性世界におけるレベルでの平和的共生の実現に進める。

人類はこれまで倫理、道徳、あるいは宗教などによって、対立や紛争、戦争や暴力を克服する努力をしてきた。類似の課題は既に世界の各所で取り上げられ議論されているので、これらを集積し俯瞰的に批判、検討したうえで、寛容と協調、互恵の精神を持つ日本の価値観を基盤として新しい指標を検討することによって、日本発の他にない提案ができ、世界におけるこの種の議論をリードすることができる。

研究は以下の4段階に分けて行う。1)与えられた課題である「人間中心の価値観に基づく平和的共存のための方策」を概念としてどう捉えるか。2)GDPに代わる人間中心の価値観に基づく「指標」とはどのようなものか。欧米中心の価値観のみではなく、日本、アジア、イスラム、アフリカといったさまざまな価値観を統合する要素を探究して、指標化する。3)新しい指標をさまざまなレベル
に試行的に適用して、指標の実効性を検討する。4)策定した新しい指標とその基盤となる考え方を、日本から世界に発信し、議論を提起する。

今後の計画・期待される効果

2017年度は中間報告を踏まえ、パイロット・スタディの一環として海外での現地調査の実施を準備する。更に、2018年度以降に様々な地域での現地調査を実施するために競争的外部資金の導入を試みるとともに、最終報告を作成する。