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基幹プログラム

「けいはんな未来」懇談会

研究代表者:松本 紘
国際高等研究所副所長、理化学研究所理事長

けいはんな学研都市は最初の街びらきから30年が経過し、住民、学術、産業、行政などの協力の下、京都、奈良、大阪にまたがる地の利を生かして、今日の街の姿にまで発展した。同時に、30年後の未来における社会のありようを考えると、さらに前進していくことが求められる。
「けいはんな未来」懇談会では、けいはんな学研都市に特有の文化や伝統といった特徴を生かしながら、30年後の街のあるべき姿、ありたい姿を考え、実現に至る道筋を示す活動を展開している。

懇談会メンバー2016.07.01現在

松本 紘 国際高等研究所副所長、理化学研究所理事長
荒井 正吾 奈良県知事
依田 高典 京都大学大学院経済学研究科教授・副研究科長
大竹 伸一 西日本電信電話(NTT西日本)相談役
柏原 康夫 関西文化学術研究都市推進機構理事長、京都銀行取締役相談役
平田 康夫 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)代表取締役社長
山下 晃正 京都府副知事

専門検討部会メンバー2016.07.01現在

浅野 誠 奈良県産業・雇用振興部産業振興総合センター 生活・産業技術研究部長
池田 一也 京田辺市企画政策部企画調整室担当課長
大原 真仁 精華町総務部企画調整課長
尾﨑 元紀 木津川市マチオモイ部次長学研企画課長事務取扱
加藤 博和 名古屋大学大学院環境学研究科准教授
北田 守一 生駒市都市整備部都市計画課長
小山 宏 奈良市総合政策部総合政策課主幹
坂野 寿和 株式会社 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)事業開発室担当部長
高見 茂 京都大学大学院教育学研究科長・教育学部長
高橋 賢藏 サントリーホールディングス株式会社執行役員
サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社代表取締役会長
中村 佳正 京都大学学際融合教育研究推進センター長・大学院情報学研究科教授
楢舘 孝寿 株式会社京都総合経済研究所取締役調査部長
藤岡 栄 京都府商工労働観光部文化学術研究都市推進課長
前田 英作 NTTコミュニケーション科学基礎研究所所長
村田 崇 奈良県地域振興部部長

■ 研究目的・方法

国際高等研究所はけいはんな学研都市の「知の中核機関~知的ハブ」としての役割を果たすべく設立された。この街の建設の礎となった1978年の関西学術研究都市調査懇談会(通称「奥田懇」)の発足に際しては、1972年に発刊されたローマクラブの「成長の限界」が大きな影響を与えたとされる。これは現在でいう「持続可能な社会の構築」の必要性を訴えたものである。この街も街びらきから30年が経過し、その頃から課題視してきた地球温暖化、地球資源の枯渇、人口増加や環境破壊など人類と地球をとりまく課題はより深刻になってきており、30年後の社会においては今以上に様々な課題が顕在化していることが予想される。

このような状況の下、「何を研究するかを研究する」ために設立された国際高等研究所として、「けいはんな学研都市の30年後に向けたコンセプト」を構築するために英知を結集していくことが正にその使命であると捉え、2015年7月に「けいはんな未来」懇談会を設立した。メンバーには、産業、学術、行政からけいはんな学研都市の未来を語るに最も相応しい方々に参画を頂き、長期的な視点をもって議論を重ねることにした。この街が「サイエンスシティ」として、そして「文化の街」として、様々なジャンルの「知」を結集し、科学技術から産業に至るラインだけでなく、都市のあり方、住民の幸福な暮らしのあり方なども考えながら、30年後のモデルとなる学研都市のあり方を提言していきたい。

今後の計画・期待される効果

30年後のけいはんな学研都市のあるべき姿としては、以下6点に集約できる。
①様々な都市活動ができる多様性の訴求が可能で、産業、学術、文化、自然、人が融合する都市。
②健康で文化的で持続可能な生活が実現する街。
③安心、安全、健康、持続可能という側面をもつ街。
④誰もが住みたい、訪れたい、働きたいと思う街。
⑤完結型都市を目指しながら、グローカルな視点を持ち積極的に外部と交流していく街。
⑥多様なコミュニティが形成されており、人間本位の充実した生活が営める街。
けいはんな学研都市における産学公民のあらゆるステークホルダーが、働き、学び、暮らすことを通して、サイエンスを礎として、30年後の繁栄の実現に向け意思を持ってコミットし、社会の進歩と人々の安寧と幸福の実現を目指す。そのためには、継続的に30年後の社会に向けたグランドデザインを共に描き、その実現に向けた正しい戦略とシステムを持ち、そのPDCAサイクルに参画し、ローリングしながら前進させていく。そこに合意形成の仕組みがあり、各々がコミットして自律的に動きながらも、常にオルターナティブが許容されている。また、自然科学のみならず、社会科学や人文学といったサイエンスの成果もくまなく活用され、街づくりの要素を全体として捉え、どこか一部にエッジを立てるのでなく、全体調和のもとに適応できている。そのような街づくりを実現していくため、本懇談会では単に提言にとどまらず、「30年後の繁栄をコミットしている街」に必要な具体的な取組のための組織や施策づくりに継続して造り込むとともに、その実現に資する活動を展開していきたい。

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