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第47回 けいはんな「エジソンの会」

開催概要

宇宙の未来 ~月/火星への挑戦~

講師
  • 中須賀 真一氏
    東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻 教授

    1988年東京大学大学院博士課程修了、工学博士。同年、日本アイ・ビー・エム東京基礎研究所入社。1990年より東京大学講師、助教授を経て、2004年より航空宇宙工学専攻教授。日本航空宇宙学会、SICE、IAA等会員, IFAC元航空宇宙部会部門長、およびUNISEC-GLOBALは設立時より委員長。超小型人工衛星、宇宙システムの知能化・自律化、革新的宇宙システム、宇宙機の航法誘導制御等に関する研究・教育に従事。2003年の世界初のCubeSatの打ち上げ成功を含む超小型衛星13機の開発・打ち上げに成功。宇宙ベンチャー会社数社の設立に貢献し、アジアをはじめ多くの国の超小型衛星をベースにした宇宙工学教育も実施。2012年より政府の宇宙政策委員会委員。基本政策部会長はじめ複数省の宇宙関連プログラムの委員長も務める。
  • 澤井 秀次郎氏
    国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 教授

    1994年3月、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了、博士(工学)。1994年4月に文部省宇宙科学研究所助手。JAXA統合などを経て、現職に至る。この間、M-Vロケットの姿勢制御用小型エンジン(SJ)や、複数の科学衛星・探査機プロジェクトの化学推進系の開発を担当するとともに、小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトでは「サンプル収集機構」や「ターゲットマーカ」などの新規技術要素の開発に参画した。また、小型科学衛星「ひさき」においては、プロジェクトマネージャとして衛星システム開発に従事した。2016年に開始された小型月着陸実証機「SLIM」では、検討段階のミッション提案代表を経て、プロジェクトサイエンティストとしてSLIMプロジェクトの研究活動のとりまとめを担当した。総合研究大学院大学教授、静岡大学客員教授を併任。専門は制御工学。
  • 船瀬 龍氏
    東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻 准教授
    国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 教授

    2007年、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程修了、博士(工学)。東京大学在学中は、超小型人工衛星の研究・開発に携わり、10cm、1kgのCubeSat(キューブサット)の打ち上げに世界で初めて成功。その後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所にて、小惑星探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」、小型ソーラー電力セイル実証機IKAROS(イカロス)などの深宇宙探査機の設計・開発・運用に携わる。
    2012年、東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻に准教授。2019年よりJAXA宇宙科学研究所教授(東京大学と兼務)。超小型衛星による低コストで高頻度な深宇宙探査の実現に向けた研究開発および実ミッションを推進している。2014年、世界初の50kgの超小型深宇宙探査機PROCYON(プロキオン)の打ち上げ・運用に成功。2022年に、NASAアルテミス計画初号機の相乗りで10kgの超小型探査機EQUULEUS(エクレウス)を打ち上げ、太陽・地球・月圏における軌道制御技術実証に成功。現在は、長周期彗星探査計画Comet Interceptorや超小型外惑星探査計画OPENS等の超小型探査機ミッションを推進中。
開催日時 2024年12月6日(金)14:00~18:00
開催場所 公益財団法人国際高等研究所
住所 〒619-0225 京都府木津川市木津川台9丁目3番地
概要  ⽶国が主導する「アルテミス計画」(⼈類を再び⽉へ送り、⽉を起点とした深宇宙への探索を⾏う)の第1歩として、本年1⽉20⽇未明、⽇本のプロジェクト(SLIM)が⽉⾯着陸に成功し、⼤きな成果を収めました。
 今後の宇宙探査への⾜掛かりとなるSLIMの重要な成果は、⽉⾯の⽬標地点へのピンポイント着陸(従来誤差数キロメートルを55mの誤差に)および超小型ロボットによる月面移動探査です。このような超小型の宇宙機による探査は、月面に限らず、太陽系のあらゆるところを目指して、世界中で研究開発が進められています。
 今回の会合では、超⼩型衛星の研究開発で数々の成功を収め、世界の宇宙ビジネスを牽引されている中須賀先⽣にリード役をお務め頂き、深宇宙探査に新たな可能性をもたらした⽇本のトップランナーをJAXAよりお迎えし、⽇本が世界に誇る「ホット」で「衝撃的」な研究開発と活動成果および今後の展望についてお話を頂きます。講演の後に「インタラクティブ・セッション」を予定しており、講師の⽅々との議論や意⾒交換を⾏います。
 この貴重な機会を是⾮ご活⽤いただき、輝かしい宇宙の未来について⼀緒に考えませんか。
配布資料
第47回「けいはんなエジソンの会」チラシ
PDF [277 KB]
共催、後援、協力 【後援】 国立研究開発法人理化学研究所
     公益財団法人関西文化学術研究都市推進機構

タイムテーブル

13:30
受付開始
14:00-14:40
「未来への挑戦 〜宇宙ビジネスの新しい潮流と今後〜」中須賀 真一氏
東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻 教授
14:45-15:25
「⽉⾯探査-SLIM 〜精密な着陸で切り開く新しい宇宙探査の扉〜」澤井 秀次郎⽒
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 教授
15:30-16:10
「深宇宙へ 〜超⼩型探査機を太陽系のあらゆるところへ 送り込む〜」船瀬 龍氏
東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻 准教授
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 教授
16:15-17:15
インタラクティブ・セッションご登壇者(中須賀真一氏、澤井秀次郎氏、船瀬龍氏)
上田 修功 エジソンの会スーパーバイザー

※インタラクティブ・セッションは、参加者からの質問や意見を登壇者と討議する場です。
17:20-18:00
情報交換会
主催者による記録・広報等のため、本イベントの写真撮影・録画・録音、オンライン配信、ソーシャルメディア配信等を行う場合がございますので、予めご了承ください。

当日の様子

 始めに、日本の宇宙開発の第一人者であり、超小型衛星の開発で宇宙産業を牽引されている東京大学の中須賀真一氏より、「未来への挑戦~宇宙ビジネスの新しい潮流と今後~」と題してご講演を頂きました。ご講演では、宇宙における世界の研究開発の動向と日本の宇宙ビジネスの動向を俯瞰しながら、分かり易くご説明頂きました。また、近未来における新しい宇宙ビジネスの潮流と今後の展開についてお話を頂きました。
 次に、本年1月に月面着陸を成功させたJAXAの澤井秀次郎氏より「月面探査-SLIM~精緻な着陸で切り開く新しい宇宙探査の扉~」と題してお話を頂きました。機器のトラブルを克服し、驚くほどの正確さで予定地点に着陸させた素晴らしい成果に、胸が躍りました。
 次に、東京大学の准教授でJAXAの船瀬龍氏より「深宇宙~超小型探査機を太陽系のあらゆるところへ送り込む~」と題してお話を頂きました。月や火星等を含む太陽系のあらゆるところ(深宇宙)への探査に取り組んでいる姿に感銘を受けました。
 インタラクティブ・セッションでは、宇宙ビジネスへの今後の展望を含めて、会場からは途切れることなく質問があり、非常に熱のこもったやり取りになりました。世界に先駆けた日本独自の数々の挑戦と成果は、日本人として誇らしいものであり、今後さらなる多国間との連携を深めていき、輝かしい宇宙の未来が開けていくであろうことを実感しました。
 情報交換会では、先生方の前に長い列ができるほど賑わい、活発な意見交換の場となり、47回会合を成功裡に終えることが出来ました。

「未来への挑戦 〜宇宙ビジネスの新しい潮流と今後〜」

中須賀 真一氏
東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻 教授

「⽉⾯探査-SLIM 〜精密な着陸で切り開く新しい宇宙探査の扉〜」

澤井 秀次郎⽒
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 教授

「深宇宙へ 〜超⼩型探査機を太陽系のあらゆるところへ 送り込む〜」

船瀬 龍氏
東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻 准教授
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所 教授

  • インタラクティブ・セッションの様子
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