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本パネルセッションは終了いたしました。
多数のご参加をいただきありがとうございました。

京都スマートシティエキスポ2019
国際高等研究所パネルセッション

未来を拓く国際高等研究所
日 時
2019年10月3日(木)14:40 〜 16:10
会 場
けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)セミナー会場3
京都府木津川市木津川台9丁目6番地
http://kick.kyoto/access/
入 場
無料 定員150名
(セミナー申込は不要、来場者登録が必要です)
お申込み方法
京都スマートシティエキスポ2019 ウェブサイトよりご登録ください。
https://expo.smartcity.kyoto

プログラム

開催概要

「未来を拓く国際高等研究所」

国際高等研究所は、1984 年に「人類の未来と幸福のために何を研究すべきかを研究する」研究所として、けいはんな学研都市の中核機関として創設されました。人間を強く意識し、人々の生活と密接に関わりながら、21 世紀の社会経済と自然、人間、教育、学術・科学技術に係る諸課題の検討に取り組んでいます。持続可能な開発目標(SDGs)等を踏まえてこれらの諸課題に対して科学技術はどうあるべきか。あまりに早いスピードで深化・進化する人工知能や経済社会の構造変化にどのように適応して行くか。地域住民の皆様を意識した地域振興方策(日本型教育輸出拠点の形成、健康見守りが可能な都市づくり)。このような課題について、統合的にパネル形式でディスカッションを行い、けいはんな学研都市から拓くスマート社会の未来に向けて、高等研から新たな視点と方向性を提示し社会へ問いかけます。
14:40~14:50

開会挨拶 
国際高等研究所の取り組みについて

松本 紘 パネルセッションコーディネーター
松本 紘
国際高等研究所所長、理化学研究所理事長
14:50~15:10

21世紀・持続可能社会(SDGs)時代における
科学技術と地域のデザイン

有本 建男 有本 建男
国際高等研究所副所長、政策研究大学院大学客員教授

2015 年の国連で全会一致して持続可能な開発目標(SDGs)が合意された。2030 年を目指して、貧困、食料、健康、格差、教育、水、環境・エネルギー、都市、気候変動・防災など各国地域に共通する課題の克服と連携強化が謳われた。21 世紀人類全体のビジョンであり、関西大阪万博のテーマでもある。科学技術、ディジタル技術への期待は大きいが、何のための誰のための科学技術か、価値観と仕組みの変革が必須である。高等研では若手研究者を中心に、分野組織国を越えてネットワークを形成し、科学技術と社会・地域、科学技術の方向などを議論し実践に努めている。

15:10~15:30

第4次産業革命への挑戦

佐和 隆光 佐和 隆光
国際高等研究所副所長、京都大学名誉教授

現在進行中の第4次産業革命が私たちの社会・経済に及ぼすインパクトには、測り知れないものがある。深層学習という底知れぬ能力を秘めた人工知能が、第4 次産業革命の担い手にほかならない。第4 次産業革命にも経済の成長・発展、生活の利便性・快適性の向上効果が期待されるが、革新のスピードが余りにも速いため、変革の過程における適応は容易でない。こうした経済社会の変容を受け、工業化社会を前提に据える既成経済学のパラダイムシフトが求められている。経済学のパラダイムシフトの方向を見究る。
15:30~15:50

教育を基軸とした住民参加型地域振興

高見 茂 高見 茂
国際高等研究所副所長、京都光華女子大学学長

学研都市地域の振興の可能性について検討している。一つは、けいはんなに蓄積されたリソース、関西の地に備わる歴史や文化を生かし、世界規模での活動が増えつつあるこの時代に「国際教育都市としてのけいはんな」の可能性を探ることである。日本型教育の海外展開(教育輸出)における条件等の調査とけいはんな地域における日本型教育の指導者養成センター設置である。もう一つは、「けいはんな未来」懇談会専門部会の答申で取りまとめられた地域振興プランである生涯にわたる健康見守りが可能な都市(幸福実現都市)づくりである。特に後者は2025 年の大阪・関西万博のテーマにも繋がるものであり、好循環モデルを構築できれば、先進事例として国内他地域や諸外国に発信(モデルの移出・輸出)することをねらいとしている。
15:50~16:05
会場からの質疑応答
16:05~16:10

閉会挨拶 

松本 紘

京都スマートシティエキスポ2019
「未来を拓く国際高等研究所」パネルセッション当日の様子

10月3日の午後、けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)で開催された「京都スマートシティエキスポ2019」の中のイベントとして、「未来を拓く国際高等研究所」と題した90分のセッションを行いました。

最初に、松本所長より、高等研の歴史や何を目指しているのか、けいはんな学研都市での高等研の役割についての説明、その後、3人の副所長がそれぞれ研究活動について発表を行いました。
有本副所長より、「21世紀・持続可能社会(SDGs)時代における科学技術と地域社会のデザイン」をテーマに、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を軸にした世界の動向と地域とのつながりや近代科学技術の歴史を踏まえた研究会メンバーを中心とした取組み状況等についてお話がありました。
続いて、佐和副所長より「第4次産業革命とは何か~改めてのルネサンスを~」をテーマに、第4次産業革命を駆動している人工知能等による経済に及ぼす影響(プラットフォームビシネス、過剰労働力、電力大量消費、電気自動車等)、こうした影響を踏まえた日本の立ち位置についてお話がありました。
最後に、高見副所長より、「教育を基軸とした住民参加型地域振興」をテーマに、高等研において2015年度~17年度に実施された「けいはんな未来懇談会」での議論を踏まえ、けいはんな学研都市が国際教育都市として発展する可能性と、health literacy向上によるけいはんな学研都市の振興への取組みについてお話がありました。

その後、参加者との質疑応答があり、中小企業を含む工業会でSDGsをどのようにしたら拡げられるか、混沌とした世界状況の下での高等研が取組んでいる高等研究への研究機関のアプローチ方法、内閣府で検討しているスーパーシティ構想に対する我々の義務、等について質問が寄せられました。
それに対し所長・副所長から、モデル事業として進められているSDGs未来都市での取組み事例、高等研では身の廻りの課題を持ち寄って市民の方も含めて議論する場を持とうとしていること、住民の義務はリテラシー(サービスを理解し利用する能力)の向上であり市民共同参加型社会の形成であると考えられること、といった質問に対する参考事例の紹介や意見が述べられました。
最後に、松本所長から、産業界や一般の市民にとって、高等研の存在意義を認めていただけるような運用を行いたいと考えており、公益法人としての役割を念頭に、産業界や一般の方々に対して広く門戸を開いた高等研でありたいとの発言があり、本セッションを終了しました。

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