本セミナーは終了いたしました。
多数のご参加をいただきありがとうございました。
国際高等研究所セミナー
- 日 時
- 2022年10月6日(木)16:10 〜 17:00
- 会 場
- けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)2階メイン会場
京都府木津川市木津川台9丁目6番地 - 入 場
- 無料 定員200名
・セミナー申込は不要、来場者登録が必要です
・オンラインLIVE配信同時開催 - お申込み方法
- 京都スマートシティエキスポ2022 ウェブサイトよりご登録ください。
詳細はこちらから
プログラム
- 16:10~16:20
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開会挨拶
松本 紘
『国際高等研@けいはんな学研都市』
国際高等研究所所長、理化学研究所名誉理事長
京都大学第25代総長、㈱ATR会長
国際高等研究所の活動、けいはんな学研都市における役割や実践などを紹介します。
- 16:20~16:50
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『ヘルスリテラシー@けいはんな学研都市』
高見 茂
国際高等研究所チーフリサーチフェロー
京都光華女子大学学長
京都大学学際融合教育研究推進センター特任教授
私たちがより健康で幸せに過ごすために、どうしたらよいのでしょうか。ヘルスリテラシーは、学術的には「健康情報を取得、理解し、評価、活用する能力」とされています。この夏、けいはんな学研都市地域の皆さまにご協力をいただき、日常生活の中での健康との関わりについてアンケート調査を行いました。その結果をもとに、私たち一人ひとりが身心をできるだけ健康に保ち自律して生きていくために、大事なことは何かを考えます。
- 16:50~17:00
- 質疑応答
セミナー当日の様子
10月6日の夕刻、京都スマートシティエキスポ2022のセッションの一つとして、国際高等研究所セミナーを行いました。京都スマートシティエキスポは第9回を迎え、今年は3年ぶりに、オンラインではなく、けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)の会場にて実施されました。
高等研セミナーは約1時間。最初に所長の松本紘先生より「国際高等研@けいはんな学研都市」と題してお話がありました。
高等研は、1984年の創設当時より、人類の未来と幸福のために何を研究するかをBeyond Boundariesを意識しながら研究する、という理念を持っています。松本先生は、自身の研究人生の中で、また大学や研究所を運営する立場として、「Beyond Boundaries(境界を越える)」の精神を持ち続けてこられたのではないかと感じます。そして、宇宙科学の研究者として、ひとりの人間として、「人とはなにか」という問いを常に根底に持つことが、私たち職員にも伝わります。そういった、松本先生の長年の精神や問いと、高等研の理念との交差を、お話しされました。
高等研はけいはんな学研都市の中にあり、この地で未来や人間を考えることも大切にしてきました。その具体の一つとして、チーフリサーチフェローの高見茂先生から「ヘルスリテラシー@けいはんな学研都市」と題するお話が続きました。概要は以下の通りです。
1.ヘルスリテラシーとは
ヘルスリテラシーは「基本的健康情報を取得、理解、評価、活用する能力」とされています。1990年代後半から本格的に研究が始まっています。健康とは、世界保健機関 WHOでは「身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であり、単に病気がないとか虚弱でないということではない」とされています。健康は、身体・精神・社会という三つの側面から捉えられています。
2. ヘルスリテラシーを測る
ヘルスリテラシーを測る方法は様々な国で開発されており、その数は200以上です。代表的な測定方法でヘルスリテラシーを測ると、日本の特徴として、評価や活用の部分の数値が低い傾向にあることがわかっています。この9月に、けいはんな学研都市地域のみなさまにご協力をいただき、同様の測定方法でヘルスリテラシーを調べたところ、同じような傾向が見られました。
3. 何を知らせているのか
ヘルスリテラシーは、これからの時代を生きていくために大事なことを私たちに知らせているのではないか、と考えています。つまり、世の中にあるたくさんの情報の中から、自分に必要な情報を見出して、それらを自分の頭で理解し考え、意思決定し行動する。それは健康に限らず、生きていくうえで大事なことなのではないか。そういう時代を、私たちは生きているのではないか、と。
4. 生きる力
最近のヘルスリテラシー研究では、情報入手と意思決定のポイントをいくつか挙げています。情報入手では、「いなかもち=いつ、なんのために、かいた人はだれ、もとネタはなに、ちがう情報と比べる」。意思決定では、「あらゆる選択肢を考え、各選択肢の長所と短所を考え、自分にとって何が重要かを問い選択する」。
人々が実際に「いなかもち」や「意思決定プロセス」をどの程度行っているのかは、まだほとんど研究がされていません。私たちは9月の調査で、この点も調べました。その結果、数少ない過去の調査データと比較すると、けいはんな学研都市地域のみなさまは、非常に頻繁にそれらを実践していることがわかりました。
このようなお話ののち、最後に、ヘルスリテラシーが示唆する生きる力のポイントを、教育や生活、そして社会の仕組みの中に取り入れ、私たち一人一人が自律した意思決定をしていくことが幸福感に繋がるのではないかと結び、講演を終えられました。
(2022年10月16日/三石)