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自主研究

横断数理科学の新規開拓
(Mathematical Sciences Beyond Borders)

研究代表者:山田 道夫
国際高等研究所副所長、京都大学数理解析研究所元所長・特任教授
東京大学名誉教授、京都大学名誉教授

 諸学問の基礎をなす数理科学の深化および多彩な学問領域との連携を探ります。国際高等研究所(以下、高等研)の基本理念である「何を研究するかを研究する」という言葉は、「けものみち」しかない領域に踏み込む活動を指しており、既存の研究機関では実施の難しいこれら未踏分野の実験的・冒険的研究が拓く学問への期待を語っています。本研究では、この理念に則って、数学・生物学・情報学など理系分野における数理的手法の深化を目指すとともに、特に、従来数理的研究が乏しかった文学・歴史学・考古学・地理学などの文系分野への多様な数理的アプローチを探り、数理科学の学問的視野をこれら未踏分野に拡大します。
 2026年度は、未踏分野への数理科学的アプローチに挑戦している研究者を集めた共同討議によって、現状把握と情報交換を行い新しい数理科学的手法の開発を進めます。具体的には以下の分野・研究集会を実施し、一般市民を対象とする講演会を開催し研究の最前線について紹介する計画です。


1)文理の境界を越える学問の変容
➀数理地理モデリング 
 歴史学・地理学・文学などの文系分野を対象に数理的アプローチを試みます。
 主任研究員
  青木 高明  滋賀大学データサイエンス学部教授
②AI・サイエンスオブサイエンス
 文理を問わず学問に大きな影響を与えるAIを前に、将来の学問や研究のあり方を議論します。
 主任研究員
  藤原 直哉  東北大学大学院情報科学研究科教授
  青木 高明  滋賀大学データサイエンス学部教授
③生成科学
 京都大学「生成科学研究拠点」と連携し、物理・数学・情報・哲学・文学・法学といった多様な観点から、AIとともにある学問、科学のアップデートを議論します。
 主任研究員
  橋本 幸士  京都大学大学院理学研究科教授

2)環境史への数理科学的アプローチ
①モンスーンアジアの水文気候学
 バングラデシュや木津川域などのモンスーンアジア地域の具体を例に、数理モデルや実測データによる環境史的アプローチを行います。
 主任研究員
  寺尾 徹   香川大学教育学部教授
  村山 聡   香川大学名誉教授、香川大学ICEDS共同世話役

3)生命活動の数理的条件
①生命の行動アルゴリズム
 理論的・数値的な手法による生物の運動など生命現象のメカニズムの解明を目指します。
 主任研究員
  石本 健太  京都大学大学院理学研究科数学・数理解析専攻教授
②ハビタブル惑星
 系外惑星におけるハビタブル環境(生命居住可能領域)を中心に、理論・観測の両側面から惑星表層環境を議論します。
 主任研究員
  石渡 正樹  北海道大学大学院理学研究院教授
  林 祥介   神戸大学大学院理学研究科惑星学専攻学術研究員・名誉教授

4)数理科学的手法および純粋数学分野の研究
①現象と数理
 自然界や社会で起こる複雑な出来事の背後に潜むメカニズムを、数学的アプローチで解き明かします。
 主任研究員
  小林 幹   立正大学経済学部教授
  石本 健太  京都大学大学院理学研究科数学・数理解析専攻教授
  小布施 祈織 岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域教授
②表現論
 純粋数学の表現論分野における研究集会を開催します。
 主任研究員
  小林 俊行  東京大学大学院数理科学研究科教授
③シンプレクティック幾何学
 幾何学の一分野であるシンプレクティック幾何学の研究集会を開催します。
 主任研究員
  小野 薫   京都大学数理解析研究所教授
④流体数理の新展開:情報・因果・自発的確率性
 流体力学(安定性、乱流、混合)と情報科学(機械学習、データ同化、乱数生成)に現れる非線形問題、情報科学手法の流体力学への応用に取り組みます。
 主任研究員
  犬伏 正信  東京理科大学理学部第一部准教授

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