本報告書は、2003～2006年度まで実施した高等研研究プロジェクト「学習の生物学」の研究成果を取りまとめたものである。この研究プロジェクトの要旨は以下の通りである。 （本報告書のまえがきより抜粋）

要　旨

本プロジェクトは、次のような計画を立てた。まず第一に、進化生物学や比較神経行動学等の視点から様々な生物系における学習過程を討議する。第二に、脳科学や発達認知神経科学の視点から、我々の脳における学習の生物学的機構に焦点を当る。そのような理解のうえで、第三に、情報科学や情報工学を学習及び教育制度に応用が可能かどうか調査・研究する。最後に、これらを統合し、新たなより包括的な教育の概念が確立できないか、さらに生涯を通じたより良い学習及び教育のための制度の構築方法を見出せないか検討する。３年16回にわたる研究会での議論を通じて、目標の第一および第二については、かなりの成果を得たと思うが、第三の目標は充分達成できたとはいい難く、新たなより包括的な教育の概念の確立や、より良い学習・教育制度の構築にむけての検討という最終目標は、残念ながら今後の課題として残ってしまった。