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本パネルディスカッションは終了いたしました。
多数のご参加をいただきありがとうございました。

京都スマートシティエキスポ2020
国際高等研究所パネルディスカッション

「日本文化創出を考える」研究会
『世界に発信する日本の文化力 ~ニューノーマル時代の基盤構築に向けて~』
日 時
2020年10月28日(水)13:00 〜 14:30
会 場
けいはんなプラザ 3階 ナイル
京都府相楽郡精華町光台1-7
https://www.keihanna-plaza.co.jp/access/
入 場
無料 定員30名
(セミナー申込は不要、来場者登録が必要です)
お申込み方法
京都スマートシティエキスポ2020 ウェブサイトよりご登録ください。
https://expo.smartcity.kyoto

プログラム

開催概要

『世界に発信する日本の文化力 ~ニューノーマル時代の基盤構築に向けて~』

「文化」の名を冠せた「けいはんな学研都市」に創設された(公財)国際高等研究所では、2017年度以来「日本文化創出を考える」研究会を年5~6回開催し、日本文化とは何か、という思想的な探求を進めつつ、「日本固有の伝統文化」と「先端科学技術」の融合を通して新たな文化活用力を生み出す方策について議論して参りました。昨年度の京都スマートシティエキスポでの公開討論に引き続いて、今年度は『世界に発信する日本の文化力 ~ニューノーマル時代の基盤構築に向けて~』と題した公開討論会を開催いたします。 いま、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、日常生活の行動が制限されています。このような環境下で、従来とは異なる可能性と限界を感じながら新しい生活様式が見出されており、新たな文化が創出される予感すらあります。このような体験を経て到来するニューノーマル時代は、新型コロナウイルス感染拡大前の社会とは異次元の社会基盤構築が必須になるのは確実です。この状況に対応するための方策について、特に『日本の文化力』をキーワードとして、参加者の皆様ともご一緒に考えていきたいと思います。
13:00 ~ 14:30
西本 清一 西本 清一研究代表者

京都大学名誉教授

京都高度技術研究所理事長、京都市産業技術研究所理事長


1975年京都大学大学院工学研究科博士課程修了、工学部助教授、大学院工学研究科教授を経て、2006年~2008年 京都大学工学部長・大学院工学研究科長、2012年京都大学名誉教授。 2012年(公財)京都高度技術研究所理事長、2014年(地独)京都市産業技術研究所理事長。
内田 由紀子 内田 由紀子研究会メンバー

京都大学こころの未来研究センター教授


京都大学 こころの未来研究センター教授。専門は社会心理学・文化心理学。特に幸福感や対人理解、対人関係について研究。京都大学教育学部教育心理学科卒業、同大学院人間・環境学研究科博士課程修了。ミシガン大学、スタンフォード大学などの客員研究員を経て、08年こころの未来研究センターへ。19年より現職、スタンフォード大学行動科学先端研究センターフェロー。10〜13年内閣府の「幸福度に関する研究会」委員を務める。
熊谷 誠慈 熊谷 誠慈研究会メンバー

京都大学こころの未来研究センター准教授


1980年広島市生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了、文学博士。京都大学白眉センター助教、京都女子大学専任講師を経て、2013年4月より京都大学こころの未来研究センター特定准教授。2017年4月より同センター上廣寄付研究部門長。2020年4月より同センター准教授。2018年、ウィーン大学ヌマタ教授兼任。専門は仏教哲学(インド・チベット・ブータン)およびボン教研究。
高橋 義人 高橋 義人研究会メンバー

平安女学院大学特任教授、京都大学名誉教授


1973年慶應義塾大学大学院文学研究科独文学専攻単位取得。1972年慶應大学文学部独文学科助手、1976年京都大学教養部助教授を経て、1992~2008年京都大学大学院人間・環境学研究科教授、2008~2009年京都大学大学院人間・環境学研究科 学際教育研究部長、2009年~現在 平安女学院大学国際観光学部特任教授。国際ゲーテ協会元理事、国際異文化交流独文学会前副会長。
徳丸 吉彦 徳丸 吉彦研究会メンバー

聖徳大学教授、お茶の水女子大学名誉教授


東京生まれ。美学と音楽学を東京大学とラヴァール大学(カナダ)で学ぶ。お茶の水女子大学(モントリオール大学・カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員教授)・放送大学を経て、現在は聖徳大学教授(音楽学)・お茶の水女子大学名誉教授。

京都スマートシティエキスポ2020
国際高等研究所「日本文化創出を考える研究会」
パネルセッション「世界に発信する日本の文化力 ~ニューノーマル時代の基盤構築に向けて~」

10月28日の午後、「京都スマートシティエキスポ2020」の中のイベントとして、「世界に発信する日本の文化力 ~ニューノーマル時代の基盤構築に向けて~」と題した90分の公開討論会をけいはんなプラザにて行いました。今回は、セッション会場での来場者の参加に加えて、オンラインで発信しながらの開催となりました。

最初に、研究会の代表者であり、パネルセッションのコーディネーターをお勤めいただいた西本清一先生から、「文化」の名を冠せた「けいはんな学研都市」に創設された(公財)国際高等研究所では、2017年度以来「日本文化創出を考える」研究会を年5~6回開催し、日本文化とは何か、という思想的な探求を進めつつ、「日本固有の伝統文化」と「先端科学技術」の融合を通して新たな文化活用力を生み出す方策について議論を進めてきたことが説明されました。そして、2019年12月に発生した新型コロナウイルス感染症は瞬く間にパンデミックを来たし、本来“動く”主体である我々人類の行動が著しく制限されるに至り、この環境下で、従来とは異なる可能性と限界を感じながら新しい生活様式を見いだしており、新たな文化創出の予感すらあること、このような体験を経て到来するニューノーマル時代は、新型コロナウイルス感染拡大前の社会とは異次元の社会基盤構築が必須になるのは確実であり、この状況に対応するための方策について、特に『日本の文化力』をキーワードとして、会場の皆様、またオンラインでご参加の皆様ともご一緒に考えていきたいと呼びかけられました。その後、研究会の委員の先生方がそれぞれの専門性に照らし、新型コロナ渦の中で気付かれ、深く考えてこられた論点について意見を述べられました。
熊谷先生からは、日本大震災では「絆」を大切にすることで乗り越えたのに対して、コロナ禍では「対面型活動」や「大規模な活動」の禁止など、多くの制約が生じることになったが、その中で、「オンライン型の活動」や「小規模な活動」の注目が高まり、様々な取り組みが始まり、新たな文化が生まれつつあること、すでに大学教育においてはオンライン型、オンデマンド型教育が定着し、新たなスタイルの授業や研究文化ができあがりつつあること、また、必要に迫られて、クラシック音楽や日本の伝統的な音楽界でも「対面型」から「オンライン型」への移行が見られ、新たな演奏文化が生まれつつあるという話がありました。
内田先生は、コロナパンデミックが始まる頃にアメリカで滞在研究されており、その経験から感じた日米間の差異を文化心理学の比較文化研究の観点から語られました。アメリカではソーシャルディスタンスを取るように徹底されていたが、表情でのコミュニケーションに価値を置くため口元を隠すのに心理的抵抗がありマスク着用が少ないなど、各国の文化・習慣・心の働きがコロナ禍で顕著になっており、日本の”withコロナ“に対して、アメリカは”beat コロナ”という戦いのモデルになっていること、さらに、コミュニティの力を再考していくことが今の日本の幸福を考える処方箋であり、世界に向けてのモデルとなる可能性があると述べられました。
高橋先生は、コロナ禍での各国なりの市民像の違いが浮き彫りになったと論じられました。欧米ではロックダウンという全体主義的政策で感染拡大を防止している一方で、日本人は自発的に自粛し、公共性も個人の自由もある程度大事にして、他者との付き合いや地域社会を大切にしてきたが、SNSなどの普及で道徳心が薄らいでしまった。顔の見えるコミュニティを大事にすることから本当の文化が生まれてくるので、今立ち止まって、反省し、考え直す機会を新型コロナは与えてくれたのではないかと問題提起されました。
徳丸先生は、音楽を通じて新しい文化を作り伝統を保つための方策として、日本の各地域の音楽を学校教育で共有すること、「日本音楽」は日本人だけのものでなく、今や世界の音楽であると認識すべきこと、関西万博の枠組みの中で日本音楽の演奏会やコンクールなどを開催することによって、それぞれの地域が持っている音楽を、他の地域の人々が知ることができるような仕掛けを作ることを提案されました。
その後、会場に集まられた、けいはんな地区で文化活動を行っている方々からの質疑応答では、和の心を世界に発信する方策、ニューノーマル時代の文化のフロントランナー、文化の両義性、日本文化の象徴としての竹の活用方法などについて質問があり、登壇者の先生方からそれぞれの専門分野に根差した提案がなされました。
最後に、西本先生は、日本の国民性として新しいものを受容する素地があり、それを模倣して自分なりに変容させていき、似て非なるものが出来上がっていくことを、象嵌細工を例にして話されました。「けいはんな」のコミュニティはまだ30年間程度であるが、今新しいものが生まれつつあり、それが世代を超えて繋がっていくことで、やがて「けいはんな」の文化として根付いていく、その最初のショールームとして関西万博の機会に自分たちのやっていることを発信していくように提唱されました。さらにはコロナ禍で立ち止まって自分たちが大切にしたいものをじっくり考える機会になり、今後新たな文化が芽生えていくことに期待を持てると将来への展望を語られました。

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日本文化創出を考える
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