メッセージ

公益財団法人国際高等研究所
理事長上田 輝久
株式会社島津製作所 代表取締役 会長
知の創造拠点として人類社会が理想とする
未来の実現に貢献します
国際高等研究所(高等研)は1984年の創設以来、「人類の未来と幸福のために何を研究すべきかを研究する」という基本理念を掲げ、関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の中核研究所として活動を続けてまいりました。
高等研では設立当初より、研究領域、世代、組織、国籍などの垣根を越えて、多様な専門性を持つ研究者が集い、複雑かつ多岐に渡る現代社会の課題に果敢に挑む「Beyond Boundaries」という精神を育んでまいりました。地球規模の気候変動や環境問題、増大する地政学的リスク、そして生成AIや自動運転の進化をはじめとする目覚ましい最先端科学技術の進展など、予測困難な変化が押し寄せる現代においてこそ、異なる専門分野の知見を融合し、多角的な視点から問題の本質に迫る高等研の学際的なアプローチは、その重要性を一層高めていると確信しております。
本年、けいはんな学研都市では、大阪・関西万国博覧会に合わせて、「未来社会への貢献~次世代への解~」をテーマとしたけいはんな万博2025が開催されています。高等研も、この国際的な交流イベントに積極的に貢献するため、関連する国際シンポジウム等を企画し、研究成果の発信とあるべき未来社会に関する議論を深めてまいります。
これまでの高等研の活動によって培われた貴重な財産を基盤としつつ、変化の激しい新たな時代への適応力を磨き、他機関と積極的に連携しながら、更なる発展を目指してまいります。今後も知の創造拠点として、人類社会が理想とする未来の実現に貢献できるよう、より一層尽力してまいる所存です。今後とも、皆様の格別のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

公益財団法人国際高等研究所
所長西尾 章治郎
大阪大学名誉教授 大阪大学第18代総長
潜在力を最大限に発揮し、共創の場で培った知見を基盤にさらなる深化飛躍を目指します
この度、関西文化学術研究都市の中核的研究機関として歩む国際高等研究所の第9代所長を、高等研が41年目を踏み出した2025年10月1日付にて拝命いたしました。
高等研は、初代理事長の奥田 東先生が提唱された「人類の未来と幸福のために、何を研究すべきかを研究する」という基本理念と共に、ここには固定された研究者がいないという運営形態を持つ我が国学術界にあっては稀有な存在として、経済界及び官界の強力な支援の下に創設され、確かな歩みを重ねてまいりました。このような由緒ある高等研の所長を務めさせていただくことを、大変光栄に存じます。
高等研の特色ある運営を円滑に進めるうえで、副所長の果たす役割は極めて重要です。そこで、所長と副所長の計4名が、それぞれ異なる専門分野・領域を担うことを踏まえ、幅広い学問領域をカバーできる体制を整えました。4名それぞれの学術的な人脈の広がりを活かし、学術的・人的ネットワークの形成を目指す新たな研究所運営を始動いたしました。
副所長には、
赤松 玉女 京都市立芸術大学名誉教授・前学長、画家
小林 傳司 科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター長
大阪大学名誉教授
山田 道夫 京都大学数理解析研究所特任教授 東京大学名誉教授
京都大学名誉教授
にご就任いただきました。
高等研では、多彩な研究者が集い、複雑かつ多岐に亘る社会課題に挑むため、分野や領域を越えて学術研究の力を結集した共創活動を進めてまいりました。新体制高等研におきましても、未来を見通すことが一層困難となった今こそ、この潜在力を最大限に発揮し、共創の場で培った知見を基盤にさらなる飛躍を遂げてまいります。
また、経済界との連携を通じて社会課題を共有し、課題解決のために新たな価値を創造するコミュニティを形成し、対話を礎とした共創によって可能となる「知の深化」を社会変革につなげるべく学際的研究に臨んでまいります。
今後とも、皆様のご支援とご厚情を心よりお願い申し上げます。




