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IIAS塾ジュニアセミナー
-「独立自尊の志」養成プログラム-

現在社会にあって、科学技術至上主義や経済至上主義的風潮の下では、全人的な人間形成は困難となりつつあり、次代を拓くには、人間力の基礎をなす哲学(理性・感性)によって鍛えられた「独立自尊の志」を有する「全人」の養成が求められていると考えられます。そこで、国際高等研究所では「ゲーテの会」の中から、選りすぐりの講演をテキストとして起こし、その講演をされた当該分野の第一人者とされる講師と直接語り合えるIIAS塾ジュニアセミナー〜「独立自尊の志」養成プログラム〜を開催し、次世代を担う人物育成のためのセミナーを春季と夏季に開催しています。

概要

21世紀のこれからの時代、科学技術先進国の考え方だけではなく、日本の歴史・文化的背景を踏まえ、日本人としてのこれからの人間の在り方、物の考え方を持つことが必要になります。
本セミナーでは思想文学、政治経済、科学技術の各分野について著名な講師による講義を受け、参加者は論点整理を行い、大学院生によるティーチングアシスタント(TA)の先導のもとグループ討論を繰り返します。講義による知識の獲得に焦点を当てるのではなく、その講義を題材として正解のない課題についてグループ討議を行うことで、多様な考え方をする他者の意見を受け入れ、自分の考えをまとめる経験を通じて、新たな視点や幅広い視野を獲得する場となることを目指しています。

2022年春季 IIAS塾ジュニアセミナー

講師とテキスト主題

藤田 正勝

京都大学名誉教
メインテキスト
九鬼周造に学ぶ  ~ 現代に息づく伝統的美意識としての「いき」 ~
サブテキスト
九鬼周造『「いき」の構造』(藤田正勝全注釈)講談社学術文庫 (2003年) 

1949 年生まれ。京都大学大学院文学研究科、ドイツ・ボーフム大学ドクター・コース修了。京都大学大学院文学研究科教授、同大学院総合生存学館教授を経て、現在は京都大学名誉教授。
著書に、Philosophie und Religion beim jungen Hegel(Hegel-Studien, Beiheft 26)、『若きヘーゲル』(創文社)、『西田幾多郎――生きることと哲学』、『哲学のヒント』、『日本の文化をよむ―― 5つのキーワード』(以上は岩波新書)、『はじめての哲学』(岩波ジュニア新書)などがある。

九鬼周造は『「いき」の構造』や『偶然性の問題』、『人間と実存』などの著作で知られる哲学者です。1921年から8年にわたってドイツ・フランスに留学して、1929年に帰国し、京都大学で西洋哲学史を担当しました。当時最先端であったベルクソンやハイデガーなどの哲学を紹介し、日本における実存哲学やフランス哲学の研究の礎を置いた人です。
九鬼には『文芸論』という著作もありますが、芸術や文芸にも深い理解を有した人でした。九鬼自身が「美の世界に生きた人」であったと言えると思います。自ら数多くの短歌や詩を作りましたし、日本の伝統的な音楽、とくに長唄や小唄、清元などを愛してやまない人でした。さらに晩年には京都・山科の地に粋をこらした邸宅を構えたことでも知られます。
そういう関心があったからだと思いますが、江戸時代を代表する美意識とも言うべき「いき(粋)」に深い関心を寄せ、それをめぐって精緻な分析を行い、その構造を鮮やかに描きだしました。本講演では、九鬼の「美」の理解、彼の「美の世界」をテーマにとりあげますが、とくにその「いき」の理解に焦点をあて、「いき」とは何か、九鬼はなぜ「いき」を問題にしたのか、そういった問題について考えて見たいと思います。

奈良岡 聰智

京都大学法学部・法学研究科教授
メインテキスト
吉野作造に学ぶ ~先陣を切る者は、歴史に学び、その光と影を縁(よすが)とする。~
サブテキスト
『日本の名著 (48) 吉野作造』中公バックス(1984年)

1975年青森県生まれ。2011~12年、2015~16年ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス客員研究員。専攻は日本政治外交史。主な研究テーマは大正時代の政党政治、第一次世界大戦期の日本外交など。主著に『加藤高明と政党政治―二大政党制への道』(山川出版社、2006年)、『「八月の砲声」を聞いた日本人―第一次世界大戦と植村尚清「ドイツ幽閉記」』(千倉書房、2013年)、『対華二十一ヵ条要求とは何だったのか―第一次世界大戦と日中対立の原点』(名古屋大学出版会、2016年)、『ハンドブック近代日本外交史 黒船来航から占領期まで』(簑原俊洋と共編著、ミネルヴァ書房、2015年)がある。

吉野作造は、「民本主義」を提唱し、大正デモクラシーをリードした言論人として知られていますが、歴史研究者でもありました。吉野はもともと東京帝国大学法学部で政治史講座を担当し、ヨーロッパや中国の政治を研究していましたが、大正末期になると明治文化研究会を組織し、明治憲政史の研究に力を注ぐようになりました。彼は、わが国における明治史研究の草分けでもあったのです。
実は吉野が明治史研究を始めた背景には、明治を回顧・顕彰しようという全国的な風潮が影響していました。このような動きは、明治天皇の崩御、「明治50年」などを経て、昭和3年の「明治60年」に一つの頂点を迎えました。この年の干支が、戊辰戦争以来の「戊辰」であったことも影響していました。この時期の明治ブームは、形を変えて戦後の「明治100年」「明治150年」にも受け継がれていくことにもなります。
本講演では、吉野の明治史研究を端緒としつつ、これまで節目ごとに明治維新がどのように捉えられ、顕彰されてきたかを検討していきます。2018年は「明治150年」にあたり、さまざまな関連行事が行われてきました。皆さんと一緒に、その意義についても考えてみたいと思います。

池内 了

総合研究大学院大学名誉教授
メインテキスト
司馬江漢に学ぶ ~ 「文化」を創造する好奇心が豊かな人間に! ~
サブテキスト
池内了『なぜ科学を学ぶのか』 ちくまプリマー新書 (2019年)

1944年兵庫県生まれ。京都大学理学部物理学科卒業。同大大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。博士(理学)。『お父さんが話してくれた宇宙の歴史』で産経児童出版文化賞、『科学の考え方・学び方』で講談社出版文化賞科学出版賞、『科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはならないか』で毎日新聞出版文化賞(特別賞)受賞。『物理学と神』『科学・技術と現代社会上・下』『科学者と戦争』『科学者と軍事研究』『なぜ科学を学ぶのか』『寺田寅彦と物理学』など著書多数。

私は、かつて『科学のこれまで 科学のこれから』という短い本を書いた(岩波ブックレット)。これまでの100年の間の科学の「異様な」発達を見ながら、これからの100年先の科学の行き方について書いたもので、そこでは「「文化」としての科学」の典型として博物学を取り上げた。
ゲーテの会で話題にするのは司馬江漢である。彼は日本画の屈指の画家なのだが、日本で最初にエッチングを発明した上に洋画にも手を出し、さらに科学では地動説を唱導し宇宙論へも踏み入っている。当時の天文学は暦学に終始して宇宙の構造には関心がなかったのだが、江漢はまさに博物学的好奇心を発揮して窮理学に、そして天文学に造詣を深めたのである。また、同時代の山片蟠桃は金貸しの番頭でありながら、人間が宇宙のあちこちに生きる宇宙像を展開している。
自分の専門の職業でちゃんとした仕事をした上で、科学の素人でありながら宇宙に関心を持った江漢(や蟠桃)の生き様を振り返りながら、なぜ江戸時代に博物学が隆盛であったのかを考えてみたい。

開催日時
2022年3月26日(土)~3月28日(月)
※オンライン開催いたします!

募集要項

募集対象 国内に所在する高校及び大学の学生で、IIAS塾ジュニアセミナー開催委員会において、受講を認めたもの概ね40名。ただし、インターネットが利用できる端末を準備でき、受講環境を有するものと認められた者に限る。
開催形式 ZOOMを活用したオンラインで受講(グループ討議・質疑・応答など)募集案内リーフレット
ただし、1月下旬配布・配信予定の教材(メインテキスト、講義動画など)による事前学習が必須。
応募方法 申込フォーム(Googleフォーム)より必要事項を記載のうえ送信。ただし、高校生にあっては、当該高等学校の教員の推薦及び保護者の同意を得たうえで「推薦書・同意書」を郵送またはE-mailにて送付。いずれも提出締め切りは、2022年1月17日(月)。
受講決定 選考結果は、2022年1月下旬、応募者本人宛て、「申込書」に記載された住所へ郵送により通知。
開催場所 <メイン会場>公益財団法人国際高等研究所 <パーソナル会場>原則として受講生の自宅
宿泊場所
参加費用 メインテキスト代は主催者が負担。サブテキストは各自で入手。
また、インターネットを利用する端末、通信回線については各自で負担。
問い合わせ・申込先 公益財団法人国際高等研究所
IIAS塾ジュニアセミナー開催委員会事務局
〒619-0225 京都府木津川市木津川台9-3
Tel:0774-73-4000/Fax:0774-73-4005
E-mail:iias19-2015@iias.or.jp
URL:https://www.iias.or.jp/
共催、後援、協力 【主催】公益財団法人国際高等研究所(IIAS塾ジュニアセミナー開催委員会)
【後援】京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県の各教育委員会(予定)
【協力】京都大学、大阪大学

申込から受講までの主な流れ

日程

応募の流れ

お申し込み
2022年1月17日(月)まで

※高校生は当該高等学校の教員の推薦及び保護者の同意を得て、推薦・同意書を添付の上、お申し込みください。

選考結果
2022年1月下旬郵送にて通知

受講決定後の流れ

オンデマンド学習
受講決定者には、学習要領送付、教材配布・配信
書類提出
受講者は事前書類などを事務局へ送付
セミナー当日
Zoomを活用したオンライン受講