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2018年夏季IIAS塾ジュニアセミナー

当日の様子

2018年夏季ジュニアセミナーを8月8日(水)から2泊3日(合宿型)の日程で行いました。受講者は、京都、大阪、奈良、滋賀の高校生24名です。
開校式では、開催委員会委員長(国際高等研究所長)の松本紘先生からテレビ会議システムを使用して「本セミナーは、第一級の学識者のお話を直接聞き、間近に意見を交わす機会が得られ、その人格に触れる機会ともなり、人生において格別の意義がある。日本が世界に伍して発展していくためには、一人一人が独立自尊の志を発揮しての、学問分野を超えた幅広い学びが不可欠である。また、地球規模の、あるいは宇宙大の視野を持って自らを相対化しながら勉学に励むことも重要である」との励ましの言葉がありました。
2日目には、体験学習(朗読)を実施し、三岡康明氏(朗読家)の指導で、自らの思いを言葉に乗せて相手に伝えることの意義についてお話しいただき、また、難語早口言葉を活用して、あるいは自己紹介などを通じての発話訓練を行い、発話による身体表現が、人間形成の上でも、また日常生活にあっても重要であることの一端を体験しました。
 また、講師の田島先生、先崎先生、上野先生からは、物事の深部にある本質を学び取ることの重要性、文理を超えて幅広く学び、信念を持ち続けることの意味などについて触れ、励ましのコメントをいただきました。
 閉講の挨拶では、高見茂国際高等研究所副所長から「AI技術の進展によって大きく変わろうとしている現代社会にあって、確かな未来を切り拓く担い手として、また、グローバル社会にあって、日本文化に深く通じた国際人として生き抜く覚悟と大いなる抱負をもって学び続けてのほしい」との言葉が贈られ、受講生の今後の人生への期待が語られました。
 多くの受講生から、本プログラムへの参加を通じて、各自の有する多様な意見を交わすことの醍醐味など、新たな自己発見があったことについて熱く語られ、受講生は充実感を覚えた3日間だった模様です。

参加者の声

自分では思いつかなかったような考えを聞き、それについて議論できる貴重な経験だった
高校1年男子
講義だけにとどまらず、討論や、TAさん、著名な先生方との話し合いで、いろんな人の考え、知識を吸収できた
高校2年女子
他の人の視点や、自分のちょっと他人と違う視点について知れました
高校1年男子
他の学校や学年の人と関わる機会も多くないため、非常に楽しめたし、新しい発見がたくさんあった
高校3年女子
これまであまり興味のなかった思想や政治の面白さや深さを感じ、興味関心をもつことができた
高校1年女子
濃密な3日間で、得られたものが多かった
高校2年男子

開催概要

講師とテキスト主題

田島正樹

元千葉大学文学部教授
メインテキスト
太宰治・夏目漱石に学ぶ ~ 「友情」の光芒。その背景としての「政治」性 ~
サブテキスト
夏目漱石著『こころ』(岩波文庫1989年)

哲学者。著書に『ニーチェの遠近法』(青弓社1996)、『哲学史のよみ方』(ちくま新書1998)、『魂の美と幸い』(春秋社1998)、『スピノザという暗号』(青弓社2001)、『読む哲学事典』(講談社現代新書2006)、『神学・政治論』(勁草書房2009)、『正義の哲学』(河出書房新社2011)、『古代ギリシアの精神』(講談社選書メチエ2013)など。

先崎彰容

日本大学危機管理学部教授
メインテキスト
西郷隆盛に学ぶ ~ 人間、西郷隆盛に、「近代」を超えるよすが(拠)を探る。 ~
サブテキスト
山田済斎編『西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文』(岩波文庫1991年)

専門は日本思想史。著書に『ナショナリズムの復権』(ちくま新書2013年)、『違和感の正体』(新潮新書2016年)、全訳解説『文明論之概略』(角川ソフィア文庫2017年)、『未完の西郷隆盛‐日本人はなぜ論じ続けるのか‐』(新潮選書2017年)など。

上野健爾

四日市大学関孝和数学研究所長、京都大学名誉教授
メインテキスト
関 孝和に学ぶ ~ 「文化」としての数学。「和算」に見る、その可能性と限界 ~

専門は複素多様体論。著書に『代数幾何入門』(岩波書店1995年)『誰が数学嫌いにしたか‐教育の再生を求めて』(日本評論社2001年)『学力が危ない』(岩波新書、大野晋との共著2001年)『数学の視点』(東京図書2010年)『円周率が歩んだ道』(岩波書店2013年)『小平邦彦が拓いた数学』(岩波書店2015年)など。現在、『関孝和全集』の編集を行っている。

募集要項

募集対象 関西地域(京都府・大阪府・兵庫県・滋賀県・奈良県・和歌山県)に所在する高校及び大学の学生で、IIAS塾ジュニアセミナー開催委員会において、受講を認めたもの概ね20名。
応募対象 申し込みは、公益財団法人国際高等研究所ホームページより2018年6月15日(金)必着で提出すること。(郵送可)
ただし、高校生にあっては、当該高等学校の教員の推薦及び保護者の同意を得ること。
受講決定 選考結果は、2018年6月下旬、応募者本人宛て、「申込書」に記載された住所へ郵送
開催日 2018年8月8日(水)~8月10日(金)
開催場所 公益財団法人 国際高等研究所アクセスマップ
宿泊場所 公益財団法人国際高等研究所内にある宿泊棟を用意
参加費用 メインテキスト代、朝昼夕食を含む宿泊費は、主催者が負担。
自宅と会場間の交通費、指定の図書(サブテキスト/任意)の入手費は、自己負担。
問い合わせ・申込先 公益財団法人国際高等研究所
IIAS塾ジュニアセミナー開催委員会事務局
〒619-0225 京都府木津川市木津川台9-3
Tel:0774-73-4000/Fax:0774-73-4005
E-mail:iias19-2015@iias.or.jp
URL:http://www.iias.or.jp/
共催、後援、協力 【主 催】 公益財団法人国際高等研究所(IIAS塾ジュニアセミナー開催委員会)
【後 援】 京都府・滋賀県・奈良県・和歌山県の各教育委員会
【協 力】 京都大学、大阪大学
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