メッセージ
公益財団法人国際高等研究所
理事長上田 輝久
株式会社島津製作所 代表取締役 会長
Beyond Boundariesの精神のもと多様な研究者の分野横断的な連携や協業を推進します
国際高等研究所(高等研)は関西文化学術研究都市(けいはんな学研都市)の中核研究所として「人類の未来と幸福のために何を研究すべきかを研究する」ことを基本理念に1984年に創設され、今年で40年を迎えます。
高等研は設立以来、研究領域、世代、組織、国籍を越えて研究者が集い、人類社会が直面する課題を研究する「Beyond Boundaries」を特徴とする研究所として活動して参りました。
近年は地球の温暖化や地政学リスク、感染症による新たなパンデミックなど国際社会を取り巻く課題が大きく変化している一方で、新技術の開発スピードも加速され、AIやデジタル技術などIT関連技術などが進化し、新たな課題も顕在化しています。このような課題を解決していくためには、科学技術を進化させるだけでなく、国際社会が目指すべき将来の姿を明らかにして、新技術の活用方法や人類へのインパクトも研究しながら、多様な方法で人類のウェルビーングを追求することが重要な時代になっています。
今日、多岐にわたる社会課題に対応するために、国際機関、組織等から「知の統合」「学際共創」「総合知」等の概念や研究手法が提唱されていますが、これらは「Beyond Boundaries」を旨とした高等研の取組の重要性が改めて評価されたものであり、高等研としても新たな取組として、若手研究者をはじめ多様な研究者の分野横断的な連携や協業を促進するための交流イベントも全国規模で展開したいと考えています。
2025年には大阪・関西万国博覧会が開催され、けいはんな学研都市でも「未来社会への貢献~次世代への解~」をテーマに、けいはんな万博2025の開催が計画されています。創設40周年を迎えた高等研も、けいはんな学研都市の中核機関としてけいはんな万博開催に協力し、国際社会の変化を予測しながら、松本紘所長と共に、更なる成長・発展を目指してまいりますので、皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。
公益財団法人国際高等研究所
所長松本 紘
理化学研究所名誉理事長
株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR)会長
知の力を信じ、研究者を支え
人類の未来に貢献します
国際高等研究所(高等研)は、初代理事長の奥田東先生が提唱された基本理念「人類の未来と幸福のために何を研究すべきかを研究する」に基づき、人類社会が直面する諸課題の探索から解決に向けて、創設以来さまざまな研究を進めてまいりました。今、人類は、地球温暖化をはじめとする環境問題、感染症、エネルギー、食料、災害といった地球規模の課題に向き合う時がきています。ロシアのウクライナ侵攻、中東情勢など、世界が分断化するリスクも高まっています。このような時代だからこそ、私は人類の未来に貢献できる科学の力を信じ、真摯に真理を追究する研究者の活動を支えていくべきだと考えています。
高等研は、学問領域や専門分野のみならず、世代、組織、国籍を越え、研究者が横断的に集い研究を進める方針(Beyond Boundaries)を、創設以来今日まで継承しています。そして高等研は、けいはんな学研都市地域という歴史や文化、人々の生活と先端研究が交差する環境の中にあります。このような特徴を生かした研究を行い地域社会に貢献するとともに、学術や社会のあり方を考え、次世代を担う若者が希望を持つ未来社会の実現に向けた研究活動を実施していきます。
2024年には高等研創設40周年を迎えます。2023年から始めた研究公募を継続し、将来新しい学術を切り拓く可能性を秘めた、根源的な問いに取り組む学際的な研究を進めます。2025年の大阪・関西万国博覧会に合わせ、けいはんな学研都市では、「未来社会への貢献~次世代への解~」をテーマに「けいはんな万博2025」の開催が計画されています。けいはんな学研都市の中核機関である高等研は、けいはんな万博と連携したシンポジウム・セミナーなどを開催することにより、国内外の人々が交流する機会を提供し、更なる成長・発展を目指してまいります。