第50回 けいはんな「エジソンの会」
開催概要
日本の半導体産業復活へ!!~グローバル競争を勝ち抜く鍵とは~
| 講師 |
|
|---|---|
| 開催日時 | 2025年8月21日(木)14:00~18:00 |
| 開催場所 | 公益財団法人国際高等研究所 |
| 住所 | 〒619-0225 京都府木津川市木津川台9丁目3番地 |
| 概要 | 近年、日本の半導体産業は再興に向けて、歴史的とも言える転換期を迎えています。特にAI技術の飛躍的な進展は、かつてない規模で半導体需要を押し上げ、最先端技術の開発や供給網の強化、国際連携の深化など、国家規模での取り組みを加速させています。 本会合では、日本の半導体戦略を牽引する黒田忠広氏をお迎えし、熊本における最新の動きも交えながら、グローバル市場における半導体戦略とその展望についてご講演いただきます。また、半導体材料・製造装置分野で世界をリードする企業より真岡朋光氏をお招きし、世界市場における日本の果たすべき役割と材料イノベーションがもたらす新たな可能性についてお話しいただきます。 日本がグローバルエコシステムの中で、如何に新たな価値と存在感を発揮し、未来を切り開くための羅針盤を描けるのか、日本を代表するお二人の登壇者とともに語り合いませんか。 |
| 配布資料 |
|
| 共催、後援、協力 | 【後援】 国立研究開発法人理化学研究所 公益財団法人関西文化学術研究都市推進機構 |
当日の様子
始めに、東京大学特別教授で日本の半導体産業を牽引し、TSMCが工場を誘致した熊本の地で県立大学の理事長を務められている黒田忠広氏より、「半導体が創る未来の地図 ~阿蘇9万年の自然と最先端技術の融合を通して~」と題してご講演を頂きました。
ご講演では、脳の誕生からAIへ繋がる人類の壮大な歴史を分かり易く紐解きながら、数々のブレイクスルーを経て進化した半導体技術の研究動向と今後の展望、また100年前の国家プロジェクトであった台湾のダム建設と現在の半導体再建とを対比しながら、熊本の地を東アジアのハイテク産業の中心地とし世界の頭脳を惹き付ける都市づくりを目指すなど、ロマン溢れる数々のお話を頂きました。
次に、日本の半導体企業を代表するレゾナックの真岡朋光氏より、「AIと半導体材料イノベーション ~グローバル市場への挑戦と展望~」と題してご講演を頂きました。
ご講演では、半導体産業の最新動向、レゾナック社のグローバス市場における位置づけ、成長を支える数々の革新的技術、半導体産業の抱える課題と解決のための共創の必要性、コンソーシアムの設立など、果敢な取り組みを紹介頂きました。
インタラクティブセッションでは、半導体産業で世界をリ-ドするには、産業のグローバル化と市場への影響、国策としてのラピダスへの支援をどう見るか、特に2nm技術開発の最新動向と懸念点、隆盛を極めるNVIDEAの強さの源泉と今後の推移、半導体市場におけるこれからの政府消費、国レベルの経済安全保障戦略、昨今隆盛を極めている中国のパワー半導体にまで話が及びました。
これまで、議論の前提として事あるごとにメディアが取り上げてきた「日本の半導体産業の衰退」について、実際の国籍別マーケットシェアを見ると、デバイス設計・製造では確かに10%ほどしかないが、装置分野では31%、材料分野では何と56%ものシェアを有する事実への驚きと、「なぜメディアは取り上げないのか」との深い疑問が生じました。
エジソンの会では、これまで社会や私たちの生活を変革し、未来に大きな影響を及ぼすであろう「最先端の科学技術」をテーマに議論を重ねてきました。しかし、今回取り上げた「半導体産業の復活」については、単に科学技術の側面にとどまらず、経済、地政学、産業構造など多様な要因が複雑に絡み合うテーマであり、より多面的かつ複合的な視点からの議論が展開されました。メディアでは触れられないような初出の情報や新鮮な知見も共有され、記念すべき第50回会合は、日頃とは一線を画す、刺激的で深みのある会合となりました。
(文責:エジソンの会事務局)
「半導体が創る未来の地図 ~阿蘇9万年の自然と最先端技術の融合を通して~」
黒田 忠広氏
東京大学 特別教授
熊本県立大学 理事長

「AIと半導体材料イノベーション ~グローバル市場への挑戦と展望~」
真岡 朋光氏
レゾナック・ホールディングス
取締役 最高戦略責任者/最高リスク管理責任者(CSO/CRO)

-

インタラクティブ・セッションの様子 -

講演会場の様子






