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第3回 けいはんな「エジソンの会」

開催概要

AIにおけるIBMの最新技術動向と先端適用事例紹介

講師
  • 久世 和資
    日本IBM 執行役員 研究開発担当
  • 高木 啓伸
    IBM東京基礎研究所
  • 山道 新太郎
    IBM東京基礎研究所 サイエンス&テクノロジー担当
開催日時 2016年8月29日(月)13:30~19:30
開催場所 公益財団法人 国際高等研究所 レクチャーホール
概要 コグニティブ・コンピューティングを標榜しワトソンを中心に製品やサービスを世界中の市場に展開しているIBMから講師を招き、 当該分野で業界をリードする最新の技術動向やユーザーにおける先端適用事例を紹介。 当会合を通してAIをどのようにビジネスに取り込んで行くことが出来るかというイメージやヒントを提供する。
配布資料
講師:久世 和資 資料「IBMの考えるコグニティブ・コンピューティング」
PDF [9 MB]
講師:高木 啓伸 資料「Accessibility ignites innovation」
PDF [5 MB]
講師:山道 新太郎 資料「IBMの最新テクノロジーのご紹介(Neuromorphic chips/World's Smallest Computer)」
PDF [9 MB]

タイムテーブル

13:30〜14:50
IBMの考えるコグニティブ・コンピューティング久世 和資 日本IBM 執行役員 研究開発担当
15:00〜15:50
Accessibility Ignites Innovation高木 啓伸 IBM東京基礎研究所
15:50〜16:30
IBMの最新テクノロジーのご紹介(Neuromorphic chips/World's Smallest Computer)山道 新太郎 IBM東京基礎研究所 サイエンス&テクノロジー担当
16:40〜17:50
インタラクティブ・セッション
18:00〜19:30
懇親会

当日の様子

けいはんな「エジソンの会」第3回会合では、IBM様からの講演を頂きました。IBM様はコグニティブ・コンピューティングを標榜しワトソンを中心に製品やサービスを世界中の市場に展開しており、当該分野で業界をリードする最新の技術動向やユーザーにおける先端適用事例を説明頂き、当会合を通してAIをどのようにビジネスに取り組んで行くことが出来るかというイメージやヒントを提供することが出来ました。また参加者の方々には最新のイノベーションとしてNeuromorphic Chip開発の経緯や状況も理解頂きました。

講演①「IBMの考えるコグニティブ・コンピューティング」

久世和資 日本IBM 執行役員 研究開発担当

IBMは世界に広がる研究部門を背景に、原子からサービス科学までに専門研究分野を拡大し、テクノロジーにより仕事や生活におけるイノベーションを推進してきた。非構造化データ量が膨大に拡大し、学習するシステムが求められる新しいコンピューティングの時代に向け、コグニティブ・コンピューティングを掲げている。Watsonを通して、医療、創薬、遺伝子治療、顧客対応、料理、学生生活、保険請求審査、人材マッチングなど各業界での幅広い活用・支援を行っている。今後もワトソンをコグニティブ・コンピューティングの基盤として進化させ、人間と機械のインタラクションによるQoLの向上、感情があり説得力のある言葉の活用、データの新しい活用方法の構築といった新たな研究分野にも広げていきたい。

講演②「Accessibility Ignites Innovation」

高木啓伸 IBM東京基礎研究所

アクセシビリティは、世の中の極端なニーズを捉えて進化することにより、イノベーションを創発してきた。例えば、キーボード、電話、Siriもそのような視点から開発されてきた。IBMではインターネットの重要性に着目し、世界初の実用的な音声Webブラウザー「ホームページ・リーダー」を全盲ユーザーの為のWeb読み上げソフトとして逸早く開発した。そして現在、カーネギーメロン大学と連携して、全盲の人も自分自身で活動的な毎日を送ることが出来るよう、知識・認識・位置推定をインタラティブに行うコグネティブ・アシスタントに取り組んでいる。
また、日本は世界に先駆けて高齢化社会に突入する。高齢者にとってのICTに対するハードルは大きく分けて4つ(価格・インターフェース・ユースケース・メンタル)あるが、それらを隈なく低減出来るよう高齢者社会における日本での実験を通して技術を磨き、日本から世界にアクセシビリティのイノベーションを発信していきたい。

講演③「IBMの最新テクノロジーのご紹介」(Neuromorphic chips/World's Smallest Computer)

山道新太郎 IBM東京基礎研究所 サイエンス&テクノロジー担当

ITは第三世代へ向かい、コグニティブ・システムの時代に進化していく。 
そこでは人の脳のようなコンピューター -五感による直観的思考を行う新たなアーキテクチャー が必要となる。当社はフォンノイマンアーキテクチャーでの開発において、世界一小型のコンピューターを開発したが、一方で脳の特徴を研究し、これまでのアーキテクチャーとは全く発想が異なる「TrueNorth」と名付けたNeuromorphic Chipを開発した。ただ、「TrueNorth」を人の脳のように機能させるためには、ニューロン数だけを考えても、現状米粒一握り程度の規模のものをオリンピックプールに敷き詰める規模にまで拡張していくことが必要であり、消費電力やTrueNorth間の情報伝達のイノベーションを含め、まだまだ大きな課題が残っており、今後も継続的な挑戦が必要である。

[インタラクティブ・セッション]

Neuromorphic Chipにおけるハードウエアの今後の進展について、またコグニティブ・コンピューティングが持つ可能性に期待が寄せられました。

参加いただいた方と講師の方々、長尾所長との名刺交換や参加者同士の名刺交換が活発に行われました。

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