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本パネルセッションは終了いたしました。
多数のご参加をいただきありがとうございました。

京都スマートシティエキスポ2018
国際高等研究所パネルセッション
日 時
2018年10月4日(木)15:20 〜 16:50
会 場
けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)セミナー会場1
京都府木津川市木津川台9丁目6番地
入 場
無料 定員120名
(セミナー申込は不要、来場者登録が必要です)英語での同時通訳有
お申込み方法
京都スマートシティエキスポ2018 ウェブサイトよりご登録ください。

プログラム

パネルセッション

「未来を拓く国際高等研究所」

国際高等研究所は「人類の未来と幸福のために何を研究すべきかを研究する」研究所として、人間を強く意識し、人々の生活と密接に関わりながら、21世紀の社会経済と自然、人間、教育、学術・科学技術に係る諸課題の検討に取組んでいます。人類が直面している諸課題に対して科学技術はどうあるべきか。人工知能(AI)、IoTの展開、少子高齢化、雇用問題、限界費用ゼロ社会の到来、シェア・エコノミーの進展といった社会の変容と人々の生活との関わり。国際的な教育環境を実現し、次代を担う人材をどう生み出していくか。このような課題について統合的にパネル形式でディスカッションを行い、けいはんな学研都市から拓くスマート社会の未来に向けて、高等研から新たな視点と方向性を提示し社会へ問いかけます。
15:20~15:30

開会挨拶 
国際高等研究所の取り組みについて

松本 紘 パネルセッションコーディネーター
松本 紘
国際高等研究所所長、理化学研究所理事長
15:30~15:50

21世紀の科学技術
-持続可能な社会の実現と地域-

有本 建男 有本 建男
国際高等研究所副所長、政策研究大学院大学教授

21世紀に入り社会経済の構造、生活スタイル、科学技術の方法が急速に変化している。この不確実な時代に、2015年全会一致で採択された国連の持続可能な開発目標(SDGs)は、人類の共通ビジョンとして、あらゆるセクターの行動転換の羅針盤になりつつある。近代科学技術は歴史的に知識生産を優先してきたが、21世紀にはSDGsの目標に沿って価値観とシステムを変革し人類社会の問題解決のため、細分化した知識を総合しデザインする新しい枠組みが必要となる。本研究は、世代や分野、地域、国を越えて人と組織のネットワークを作り、科学技術と社会の新たな関係を構築する思考と行動の基盤を検討し実践する。

駒井 章治
奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科准教授、国際高等研究所客員研究員

まだ見ぬ課題に対応するためイノベーション政策3.0としての変容が求められている今、多様な価値観をもってして積極的に未来をソウゾウすることが人類にとって最善の策ではないかと考えている。そのために我が国がグローバルな視点においてどのような立ち位置を取り、どう進んでゆくべきかをかなりのエフォートを割いて議論し、アクションを起こしていかねばならない。このような活動の拠点として古来より国際都市であったここけいはんなの国際高等研が最適であり、実現に向け「集合知プラットフォーム」の構築と市民の生涯教育の場となるような議論と活動を進めてゆく。
15:50~16:10

第4次産業革命にどう適応すべきか
-社会科学者の戦略-

佐和 隆光 佐和 隆光
国際高等研究所副所長、滋賀大学特別招聘教授

現在進行中の第4次産業革命が私たちの社会・経済に及ぼす影響は測り知れない。過去3度の産業革命のいずれもが、経済の成長・発展、生活の利便性・快適性の向上をもたらしたのだが、4度目の産業革命は、そのスピードが余りにも速いため、変革への社会的適応が容易でない。既成の経済学が当然の前提に据えてきた仮説の多くを、第4次産業革命が非現実的なものと化する可能性を踏まえ、経済学のパラダイム・シフトの方向を見究めて社会に問う。
16:10~16:30

国際教育都市の実現にむけて
-けいはんなから世界へ-

高見 茂 高見 茂
国際高等研究所副所長、京都大学学際融合教育研究推進センター特任教授

地域における教育機関の意義は、1)人材育成、2)地域人口維持、3)地域経済活性化に大別できる。伝統的には1)が重視され、地域振興との関わりから2)、3)の重点化策が採られてきた。近年インフラシステム輸出、すなわち技術・ノウハウの輸出によるサービス収支黒字化戦略が強化されている。教育もその一翼を担う有力な輸出財としての可能性が高く、わが国の教育は、高い基礎学力、規律ある生活習慣の育成、産業人材育成等国際的に高い評価を得ている。以上を踏まえ、教育システム輸出拠点としての「けいはんな」の可能性を検討する。
16:30~16:45
会場から質疑応答
16:45~16:50

閉会挨拶 
松本 紘

パネルセッション当日の様子

2018年10月4日の午後、けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)で開催された「京都スマートシティエキスポ2018」の中のイベントとして、「未来を拓く国際高等研究所」と題した90分のセッションを行いました。
最初に、松本所長が、高等研の歴史や高等研が目指すところ――国際性・未来志向かつ基礎的な学術研究・けいはんな地域発・産業界との連携等について説明し、その後、3人の副所長がそれぞれ研究活動について発表を行いました。

有本副所長からは、「21 世紀の科学技術――持続可能な社会の実現と地域」をテーマに、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を軸にした世界の動向と地域での実践や、今こそ近代科学技術の歴史を踏まえ科学技術の価値観とシステムを変えていく時代にあるのではないかとのお話がありました。後半では、駒井客員研究員(奈良先端科学技術大学院大学准教授)より、未来を想像し、創造することが人類の希望であり、高等研はさまざまなアクターによる集合知を作り出す場として適しているのではないか、といった話がありました。
続いて、佐和副所長より「第4 次産業革命にどう適応すべきか――社会科学者の戦略」をテーマに、第4次産業革命が私たちの社会や経済に及ぼす影響は測り知れず、既成の経済学が当然の前提に据えてきた仮説の多くを問い直す局面に立っていること、そのような時代だからこそ新たな価値軸の創造と新時代への適応が必要になっているとのお話がありました。
最後に、高見副所長より、「国際教育都市の実現にむけて――けいはんなから世界」をテーマに、日本の教育は、基礎学力の高さや、特別活動や道徳を通した規律ある生活習慣や倫理的な行動の習得、産業人材育成等において諸外国から注目を集めていること、教育は有力な輸出財としての可能性を持しており、けいはんな学研都市は教育システム輸出拠点となりうるとのお話がありました。

その後、会場からの質疑応答では、科学技術の発展と人文社会科学との関係や、日本における科学の特徴、今後の教育のあり方について、会場から質問が寄せられました。それに対しパネルからは、現在は、STEM(science, technology, engineering and Mathematics)からSTEAM(STEMにartsを加える)ことが、世界的な趨勢となっており、今日の科学技術のあり方を考える上で、人文知(arts)が欠かせないとの認識が浸透しつつあること、明治期に日本に科学が入ってきた折にはすでに分化した学問としての「科」学の状態であったことが、日本の学問のあり方に少なからず影響を及ぼしており、学問の内部や内外での融合により新たな発展が見いだせる地点に立っているとも考えられる、といった意見が述べられました。

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