- 日 時
- 2023年6月17日(土)14:00 〜 17:00
- 鼎談会場
- 国際高等研究所
〒619-0225 京都府木津川市木津川台9-3 - 参加費
- 無料
- 定 員
- 会場40名、オンライン100名
(先着順・定員になり次第締め切り) - 締 切
- 2023年6月15日(木)
- 申 込
- Peatixからの参加申込のみとなります。事前申込の上、ご参加いただきますようお願いします。(会場での申込受付は行いません。)
手続き完了後に、当日の招待メール(ウェビナー(Zoom)のURLを含む)がPeatixから送られます。
なお、開催日時の24時間前に、ご登録いただいたメールアドレス宛に、リマインドメールをお送りします。
オンライン参加の方は、受付時間(13:30~14:00)内に、事前にご連絡するURLからアクセスしてください。 - 主 催
- 公益財団法人 国際高等研究所
<「新たな文明」の萌芽、探究を!>プロジェクト事務局
e-mail:goethe0828@iias.or.jp - 問合せ先
- 申込・視聴など、Peatixの利用方法についてご質問などがございましたら、
下記のヘルプページをご確認いただくか、お問合せ窓口にご連絡ください。
Peatix ヘルプページ https://help-attendee.peatix.com/ja-JP/support/home
Peatix お問い合わせ窓口 https://help-attendee.peatix.com/ja-JP/support/tickets/new
2023.06.17(土)第2回「けいはんなmeta鼎談」開催概要
2023年6月17日(土)14時から国際高等研究所において、第2回「けいはんなmeta鼎談」がハイブリッド形式で、『文明論』をテーマに開催され、全国から60人を超えるご参加がありました。本鼎談は、昨年度、「ゲーテの会」を核として立ち上げられた<「新たな文明」の萌芽、探求を!>プロジェクトの一環として開催されたもので、今回のモチーフは、『「日本文明」の固有性と普遍性―「近代文明」の限界を超えてー』。鼎談者は、宗教哲学分野から末木文美士先生(国際日本文化研究センター名誉教授)、国際政治学分野から三牧聖子先生(同志社大学准教授)、自然人類学分野から斎藤成也先生(国立遺伝学研究所特任教授)。
鼎談に入る前、討議課題(候補)として、例えば、【国際平和】に関して、ヨーロッパ中心主義的認識枠に映る「世界」、歴史に根差した不信感が映し出す「世界」。これら特有の南北対立的「世界」に替わる普遍的「世界」はいかにして獲得されるか。ここに潜む「現実主義」と「理想主義」の立場の対立はいかにして超えられるか。【日本国家】に関して、日本・日本文化の複合性の源流を辿る。そこに見える日本列島人の「うちなる二重構造」。それと対比される近代日本の家父長国家の一元構造の危うさ。その末路。などが紹介され、今回の鼎談者及び参加者の課題意識の共有化が図られました。
鼎談は末木先生の司会で進行。冒頭、関係者の課題意識を踏まえ、斎藤先生から、近年、DNA分析手法の開発により生物(人間)進化の系統分析の解像度が飛躍的に上がり、日本列島人の系統(アイヌ人、ヤマト人、オキナワ人)と朝鮮半島の人たちの近縁関係、ヤマト人に存在する二重構造などが次々と明らかになってきているとの説明。また、三牧先生から、G7など国際政治における欧米とグローバルサウスの対立軸の中でのアジアの国日本、「核」をめぐる核抑止論と核廃絶論の対立軸の中での被爆国日本。そのアイデンティティを如何に確立していくかは、日本の国際社会での影響力を左右する重要な事柄であるとの指摘。最後に末木先生から、日本社会は、伝統的に王権(政治世界)と神仏(精神世界)の二重構造の下にあった。また、政治世界も武士(武力装置)と朝廷(文化装置)の二重構造の下にあり、相補関係が保持されてきた。だが、明治以降の「近代化」の過程において、特に第二次世界大戦以後は、精神世界が軽んじられ、文化装置が十全に機能しなくなるなど国家の機軸が失われることとなった。日本社会の再構築が待望される所以であるなどの発言があった。
鼎談では、冒頭発言を踏まえ、生物(人類)進化と人類の平和的共存との関係、あるいは国家(領土)を超えた平和的関係構築の糸口の探求などに関して意見が弾みました。また、質疑応答では、ユネスコ憲章の唱える「政治・経済を超える高次の「知的・精神的(道徳的)連帯こそ永続的平和の礎」を実現するには、どうすべきか。社会の在り方を上部構造と下部構造に分けて考察するとき、宗教を上部構造と位置付けるか下部構造として位置付けるのかによって、その在り方が大きく変わる。明治以降の「近代化」の過程で、日本は西洋に倣って(西洋ではキリスト教を上部構造と観念している)、宗教を上部構造に位置付けたことが今日の日本社会の空疎化を招来したのではないか。浅薄化させる因となったのではないか。伝統的宗教観に立ち返って、宗教の在り方を見直すことなしに、日本社会の再構築はないのではないか、などの意見がありました。(文責:国際高等研究所)