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公募研究

総合コミュニケーション学

研究代表者:時田 恵一郎
名古屋大学大学院情報科学研究科教授

従来社会科学的な研究対象であったコミュニケーションの問題を、生物学、情報科学、経済学、経営学、環境科学、物理学、複雑系科学、科学哲学等の諸分野の研究者間で共有し、幅広い分野の研究者が国際高等研究所における研究会・ワークショップに参加し議論を行い、文理融合の学際的・包括的な研究交流を通じて「総合コミュニケーション学」の確立を目指し、コミュニケーションに関連する様々な社会問題の解決を図る。

参加研究者リスト2016.07.01現在

時田 恵一郎
名古屋大学大学院情報科学研究科教授
上原 隆司
名古屋短期大学保育科助教
江守 正多
国立環境研究所地球環境研究センター室長
大平 徹
名古屋大学大学院多元数理研究科教授
小西 哲郎
中部大学工学部教授
阪上 雅昭
京都大学大学院人間・環境学研究科教授
佐々木 顕
総合研究大学院大学先導科学研究科教授
笹原 和俊
名古屋大学大学院情報科学研究科助教
佐藤 哲
人間文化研究機構総合地球環境学研究所教授
田中 沙織
国際電気通信基礎技術研究所(ATR)、脳情報通信総合研究所数理知能研究室室長
戸田山 和久
名古屋大学大学院情報科学研究科教授
橋本 敬
北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科教授
早川 美徳
東北大学教育情報基盤センター教授
福永 真弓
東京大学大学院新領域創成科学研究科准教授
藤本 仰一
大阪大学大学院理学研究科准教授
本城 慶多
国立環境研究所社会環境システム研究センター特別研究員
丸山 康司
名古屋大学大学院環境学研究科准教授
八代 嘉美
京都大学iPS細胞研究所特定准教授

■ 研究目的・方法

ヒトのコミュニケーションは、「知識」や「情報」を介する人間的な営みを伴うことから、生物学や社会科学などの枠を越えより学際的な視点から研究を行い、様々な分野と影響を及ぼし合いながら発展が期待される総合的な学問分野である。

従来社会科学的な研究対象であったコミュニケーションの問題を、生物学、情報科学、経済学、経営学、環境科学、物理学、複雑系科学、科学哲学等の諸分野の研究者間で共有し、幅広い分野の研究者が国際高等研究所における研究会・ワークショップに参加し議論を行い、文理融合の学際的・包括的な研究交流を通じて「総合コミュニケーション学」の確立を目指し、コミュニケーションに関連する様々な社会問題の解決を図る。

本研究プロジェクトにおいては、分子生物学・細胞生物学者などのミクロレベルから生態学などのマクロな生物学者、さらには環境科学・環境社会学といった人間社会・地球規模のスケールにおよぶ課題を解決しようとする研究者、理学・複雑系科学者および脳科学・行動経済学者、科学哲学者の研究者が結集し、コミュニケーションの問題を学際的かつ多角的な視点から検討する。また、社会ゲーム理論研究で学位取得を目ざす大学院生も加え、大学院生やポスドクなどの若手研究者の参加も促し、若手の育成に努める。さらに、海外研究者も積極的に招へいし、国際共同研究のシーズ醸成も図る。このような高等研プロジェクトの特徴ともいえる広域の学際研究を通じて、本研究プロジェクトにおいても文理融合型の高い成果及び将来有望な研究交流のシーズ産生を目指す。

今後の計画・期待される効果

現在までに、総合地球環境学研究所プロジェクト「地球環境知形成における新たなコモンズの創生と持続可能な管理」における文理融合型の共同研究が進んでいるが、以下の共同研究プロジェクトが立ち上がりつつある。
1.コミュニケーションを通じた在来の科学知と伝統的な地域環境知の知識流通のダイナミクスに関する理論モデル研究。進化生態学や環境社会学のみならず、経済学、経営学へのフィードバックも期待される。
2.コミュニケーションが果たす役割に関する非線形・非平衡物理学的研究。個体間の様々なコミュニケーションが、生物の群れや人間の群集のダイナミクスに果たす役割についての理論的な研究を行う。
3.認知バイアス、対立と妥協、不信、詐欺、操作の特性を明らかにするための生物信号についての実証研究。
4.「協力の進化理論」から「協力の社会工学」的研究への移行。
2016年度も2回研究会を開催し、2、3名程度のゲスト、可能であれば海外研究者を招へいし、コミュニケーションに関するより広い研究分野のレビューを行いつつ、より多くのメンバー間の共同研究を促したい。また、これまでに企画・運営してきた環境社会学、数理生物以外の分野、一般、大学生、高校生対象の学術講演会なども企画して、若手研究者育成、高大連携などにも貢献して行く予定である。さらに総合コミュニケーション学の確立に資する研究をまとめた報告書も出版したいと考えている。

活動報告

アニュアルレポート