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第48回 けいはんな「エジソンの会」

開催概要

次世代エネルギー~核融合が切り開く未来社会~

講師
  • 吉田 善章氏
    大学共同利用機関法人自然科学研究機構 核融合科学研究所 所長

    1985年東京大学大学院工学系研究科原子力工学専攻博士課程修了、工学博士。
    同年より東京大学工学部専任講師を務め、その後助教授となった。1998年4月には、同年度から設置が開始された同大学大学院新領域創成科学研究科に配置換となり、総長補佐として同研究科全体の設立準備にあたった。2021年4月に大学共同利用機関法人自然科学研究機構核融合科学研究所長に就任し、現在に至る。この間、研究所のアカデミックプランの刷新、組織の改変、共同研究体制の改革を行い、核融合分野の学際化と研究力の強化に努めた。
    核融合科学の学理として「マクロ系の科学」特に「自己組織化」に関する物理と数理を研究し、磁気圏型プラズマ閉じ込めの自己組織化に関する実験研究であるRTプロジェクトを立ち上げ、RT-1実験装置を独自に開発した。2018年にはBerkeleyのMSRI (数理科学研究所) に日本から初のChern Professorとして招聘された。2024年から科学技術振興機構 ムーンショット目標10プログラムディレクターも務める。
  • 武田 秀太郎氏
    京都フュージョニアリング社 共同創業者 
    九州大学都市研究センター 准教授

    ハーバード大学修士(サステナビリティ学)、京都大学博士(エネルギー科学)を修了後、2019年、京都大学特任助教時代に、「地上の太陽」実現を目指す日本で初めてのスタートアップである京都フュージョニアリング株式会社を創業。以来総額150億円の資金調達を成功させ、同社をイギリス支社・EU支社・アメリカ支社・カナダJVを構え従業員150名を超えるグローバル企業へと成長させた。2020年、IAEA国際原子力機関ウィーン本部において核融合担当プロジェクト准担当官に日本人で初めて就任。2022年から九州大学准教授。2024年、日本で始めて部門名に「フュージョンエネルギー」を冠する研究部門を九州大学に設立。
    文部科学省核融合科学技術委員会原型炉総合戦略タスクフォース主査代理ほか、国際機関、政府、地方自治体委員を務める。IOP英国物理学会国際若手キャリア賞、IAEA事務局長特別功労賞、AEE 2018 International Young Energy Professional of the Yearほか受賞。
    著書に『Commercialising Fusion Energy: How Small Businesses Are Transforming Big Science 』(IOP Publishing)ほか。
開催日時 2025年2月5日(水)14:00~18:00
開催場所 公益財団法人国際高等研究所
住所 〒619-0225 京都府木津川市木津川台9丁目3番地
概要  核融合エネルギーは原子力(核分裂)とは根本的に異なり、21世紀で最も革新的で環境に優しいエネルギー源として注目されています。
 生命が地球上に十億年以上を掛けて作り上げてきた炭素循環の世界が崩れつつある中、「地上に太陽を作る」という人類の存続をかけた画期的な挑戦が始まっています。この技術は、今後数百万年にわたり持続可能なエネルギーを人類に提供することが期待されます。
 今回の会合では、人類未踏のフロンティアを開拓する大規模事業として核融合の研究開発に取り組む日本のリーダーと、技術開発の独創性と先進性が認められ、世界から巨額の資金調達を実現している日本初の核融合スタートアップの共同創業者をお迎えし、ご講演を頂きます。
 地球の危機を救う核融合エネルギーの最新動向と最前線での取り組みに触れて頂き、持続可能な地球の未来について語り合いましょう。
配布資料
第48回「けいはんなエジソンの会」チラシ
PDF [273 KB]
講演資料_吉田善章先生
PDF [3 MB]
講演資料_武田秀太郎先生
PDF [9 MB]
PDF []
共催、後援、協力 【後援】 国立研究開発法人理化学研究所
     公益財団法人関西文化学術研究都市推進機構

タイムテーブル

13:30
受付開始
14:00-15:00
「地球を救う宇宙の力 ~核融合エネルギーの革命~」吉田 善章氏 
大学共同利用機関法人自然科学研究機構 核融合科学研究所 所長
15:10-16:10
「フュージョンにより新たな産業と未来を切り拓く ~京都から世界への挑戦~」武田 秀太郎氏 
京都フュージョニアリング株式会社 共同創業者
九州大学都市研究センター 准教授
16:15-17:15
インタラクティブ・セッションご登壇者(吉田善章氏、武田秀太郎氏)
上田 修功 エジソンの会スーパーバイザー

※インタラクティブ・セッションは、参加者からの質問や意見を登壇者と討議する場です。
17:20-18:00
情報交換会
主催者による記録・広報等のため、本イベントの写真撮影・録画・録音、オンライン配信、ソーシャルメディア配信等を行う場合がございますので、予めご了承ください。

当日の様子

 始めに、人類未踏のフロンティアを開拓する大規模事業として研究開発に取り組む吉田善章氏より、「地球を救う宇宙の力 ~核融合エネルギーの革命~」と題してご講演を頂きました。ご講演では、フュージョンエネルギー研究の現状と課題について、これまでの研究の歴史を踏まえ、世界の動向と日本の取組み状況を交えながら分かり易くご説明頂きました。特に核融合研究を核として、他の領域・分野との共通のテーマを築き上げていく学際的取り組みは、これからの科学技術をさらに進化させていく、なくてはならないものであると理解しました。
 次に、日本初の核融合スタートアップの共同創業者である武田秀太郎氏より、「フュージョンにより新たな産業と未来を切り拓く ~京都から世界への挑戦~」と題してご講演を頂きました。ご講演では、産業化の視点からみるフュージョンエネルギーの現状と未来についてご説明頂きました。スタートアップ企業の先進的な挑戦は、近未来の日本および世界を大きく変える、とても刺激的な取り組みであると思いました。
 インタラクティブ・セッションでは、核融合エネルギーへ期待する半面、放射能に対する不安や懸念、国際的な規制やガイドライン等の質問もあり、原子力エネルギーとの安全性の違いについて議論され、一般にはまだ十分な理解が進んでいない領域ではあることが分かりました。会場と先生方との様々な本音のやり取りを通して、核融合の研究開発と社会への影響がより理解され、近未来へ繋がる契機になったのではないかと思います。
 情報交換会では、毎回ではありますが、先生方の前に長い行列ができ活発な意見交換が行われました。特に起業を目指す若者たちからの質問に武田氏が熱のこもったアドバイスをされていたことが非常に印象に残りました。

「地球を救う宇宙の力 ~核融合エネルギーの革命~」

吉田 善章氏 
大学共同利用機関法人自然科学研究機構 核融合科学研究所 所長

「フュージョンにより新たな産業と未来を切り拓く ~京都から世界への挑戦~」

武田 秀太郎氏 
京都フュージョニアリング株式会社 共同創業者
九州大学都市研究センター 准教授

  • インタラクティブ・セッションの様子
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