占部 まり 先生【経済倫理】
内科医/宇沢国際学館代表取締役
ゆたかさとは本当に金銭で測れるものだろうか。資本主義を超えた未来の経済システムに向けて、宇沢弘文が提唱した経済理論「社会的共通資本」の視点から、持続可能な社会と新たな経済のあり方を探っていきたい。
宇沢弘文の長女(3人兄弟末子)東京慈恵会医科大学卒業。地域医療に従事するかたわら宇沢弘文の理論をより多くの人に伝えたいと活動をしている。2022 年 5 月京都大学人と社会の未来研究院に社会的共通資本と未来寄付研究部門が設立される。環境問題や教育・医療など社会的共通資本を基軸に多角的な横断研究が展開されており、その企画運営も協力している。日本メメント・モリ協会代表理事、日本医師会国際保健検討委員。
松村 圭一郎 先生【経済人類学】
岡山大学文学部准教授
資本主義をめぐる問題の核心のひとつは、人間を労働力として利益とコストの観点のみで計量可能にするシステムにある。どうすれば私たちは「人間」でいられるのか、問われている。
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。京都大学大学院助教、立教大学社会学部准教授をへて、2015 年より現職。専門は文化人類学。所有と分配、海外出稼ぎ、市場と国家の関係などについて研究。著書に『所有と分配の人類学』 (ちくま学芸文庫)、『旋回する人類学』(講談社)、『人類学者のレンズ』(西日本新聞社)、共編著に『文化人類学の思考法』(世界思想社)、『働くことの人類学』(黒鳥社)などがある。
熊野 英介 先生【企業経営】
アミタホールディングス株式会社代表取締役会長 兼 CVO
国家を超えた資本主義の未来は市民が何を望むかにかかっている。資本主義と民主主義が融合し、投票行動による社会変革でなく、購買行動で社会を希望に導く未来について考えてみたい。
1979 年の創業以来、人と自然が経済発展の道具にされた近代の誤作動を正し、持続可能な社会を目指すアミタグループを牽引。 産業の環境化を目指し、天然資源の代替となる循環資源を製造する100%再資源化サービスや日本初となるFSC® 森林認証審査の提供など、社会課題の解決に資する新規市場の開拓を実践。 現在は、希望を事業化する未来デザイン企業を標榜し、2030年に向けた事業ビジョン「エコシステム社会構想」の実現に情熱を注いでいる。