出口 康夫 先生【哲学】
京都大学 人と社会の未来研究院 特定教授
人間とは、単に「存在」しているだけではなく、「実存者」であり「時間を背負って」いる。我々は誕生から成長、成熟、老化、死へと不可避に進行するベルトコンベヤーに
無意識に運ばれているが、突如自分が「動く舞台」の上で踊っていると気づくことがありえる。「実存のベルトコンベヤー」は意識と無意識の領域を行き来している。
1962 年大阪市生れ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。京都大学大学院文学研究科哲学専修教授を経て、現在、京都大学人と社会の未来研究院特定教授。京都哲学研究所共同代表理事。専攻は哲学、特に分析アジア哲学、数理哲学。現在「WE ターン」という新たな価値のシステムを提唱している。近著に『これからの社会のために哲学が
できること 新道徳実在論とWE ターン』(光文社)、『AI 親友論』( 徳間書店)、 What Can’ t Be Said:Paradox and Contradiction in East Asian Thought(Oxford UP)、 Moon Points Back (Oxford UP) など
渡邉 正峰 先生【科学】
東京大学大学院工学系研究科 准教授
AI の進展に伴い、人工意識の存在可否が取り沙汰されているが、私は人工意識の開発をとおして意識の神経メカニズムを明らかにしようとしている。その試みを通して人工意識が実証されれば、その先には、意識のアップロード、すなわち、「デジタル不老不死」が待っている。
1970 年、千葉県生まれ。東京大学大学院工学系研究科准教授。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。専門は神経科学。著書にFrom Biological to Artificial Consciousness
(Springer)、『意識の脳科学 「デジタル不老不死」の扉を開く』( 講談社)、『脳の意識 機械の意識』( 中央公論新社)、『意識の不思議』( 筑摩書房)、共著に『意識はどこからやってくるのか』( 早川書房) など
赤松 玉女 先生【芸術】
国際高等研究所 副所長
画家/京都市立芸術大学 名誉教授
私にとっての絵画制作は、自分の目と手を通してその場で立ち上がっていく、ライブ感覚が重要。制作の中で導かれる感覚と、それを形に定着させる決断の往復̶。それは意識と無意識のあいだを行き来する体験とも言える。 こうした感覚を手がかりに、「何かに」触れたいと考えている。
1959 年兵庫県尼崎市生まれ。
’84 年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻(油画)修了。相反する感情が同時に存在し、複雑に移ろう人間の内面をテーマに、油彩、水彩、フレスコ技法など、画材
や技法を組み合わせた絵画表現を研究。イタリアでの創作活動などを経て、国内外でグループ展、個展を多数開催。
’93 年より京都市立芸術大学美術学部美術科教員、’18 年美術学部長、’19 年4 月より同大学学長(~ ’25 年3 月)。現在、同大学名誉教授。’25 年10 月より公益財団法人国際高等研究所副所長